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教団独立記念祭をお迎えして

教団独立記念祭の願い

 6月14日午後1時30分から、教主金光様ご祭主のもと、本部広前祭場で教団独立記念祭が執り行われます。祭典に先立ち、午後1時15分から、受褒者および新任教師の紹介が行われ、祭典のなかで「褒賞」および「教師新任」の儀が行われます。その後、「あいよかけよの生活運動」全教集会が行われます。【金光教報-天地】

 本教は、明治16年(1883)10月に教祖金光大神様がご帰幽後、同18年(1885)の神道金光教会設立を経て、同33年(1900)、一教独立を果たしました。これによって、今日の教団の礎が築かれたのです。教団独立記念祭は、この教団独立に込められた直信先覚の願いと、そのご苦労に思いをいたし、心からお礼を申し上げるとともに、めいめいに託された願いの自覚を新たに、お道のいっそうの展開を祈願させていただく祭典です。

 教祖金光大神様は、参拝される人々に対して、信心しておかげを受けるとともに、神の氏子として、進んで人を助ける身となるようにとの大きな願いをかけられました。その願いを受け止めた人々が、それぞれに人を助ける働きを現され、各地に出社広前ができ、この道が広く伝えられていくこととなりました。

 しかし、当時は、この道の信心によって人を助けることが自由にできない時代であり、特に明治期に入ると、神道国教化という国家の宗教政策によって、新たな神様を奉じて道を伝えることは、ますます困難な状況となりました。そうしたなかにあっても、教祖様は、世界・人類の助かりを願われる天地金乃神様のお心を体し、「此方(このかた)の神は違う」との厳然たる態度と、先を楽しむことと表裏一体の信心辛抱をもって、この道を立て抜かれました。

 そのような教祖様のお姿に触れた直信先覚方は、「このお道の神様を、はやり神と同じにしてはいけない。何としてでも後世まで正しく道を伝えていかなければならない」と切望されるようになりました。そのなかで、まずは神道事務局の傘下で出社の結集を図りながら、教祖様のご理解の収集や、神道金光教会学問所(教師養成機関)を開設しての人材育成など、教団としての体制を整えることに心血を注がれました。そして、ついに明治32年、神道本局からの離脱が国家に認められることとなり、翌年、念願であった一教独立を果たすことができたのです。独立後もさまざまな制約はありましたが、天地金乃神様を信奉する宗教教団として布教することができるようになり、全教の信奉者は、同じ神様を信仰し、同じ教祖様を仰ぐ者同士という、金光教信奉者としての自覚を深めていくこととなりました。

 以来、時代社会に教祖様のご信心のあり方を、教団、教会の営みや、信奉者の信心実践に現していく取り組みをたゆまず求め、教団の体制を充実させながら、教勢も進展してきたのです。

 今日、教団は、立教百五十年のお年柄をお迎えして、「生神金光大神取次によって、天地金乃神の願いである神と人とあいよかけよで立ち行くあり方を世界に顕現する」とのご神願の実現に向け、基本方針を「世界・人類の助かりに向けて、金光大神の信心を求め現す─立教百五十年を迎え、この道のおかげの自覚をもとに、信心生活を進める─」とし、「立教150年記念金光教講演会」や「教会長信行会」などの諸活動に取り組んでおります。とりわけ、「あいよかけよの生活運動」の推進に全教あげて取り組み、信奉者一人ひとりが信心実践の取り組みを進めているところです。

 立教百五十年の教団独立記念祭をお迎えするに当たり、天地金乃神様のお働きはもとより、生神金光大神取次を具現された教祖金光大神様、歴代金光様、さらに教団独立に尽力された先人の方々に、心からお礼を申し上げてまいりたいと存じます。そして、この道を伝え、現していくことを私たちの使命と受け止め、教祖様ご立教の精神をあらためて頂き直し、いっそうに信心の興隆に努めるとともに、連帯してご神願成就のお役に立たせていただきたいと存じます。

「あいよかけよの生活運動」全教集会の願い

 「あいよかけよの生活運動」は、平成13年6月に発足し、本年で8年になります。これまで教区や教会連合会で研修が進められ、「運動」の願いとするところについて理解が深められるとともに、それぞれの教会や信奉者のところで取り組みが進められてきておりますことは、ありがたいことです。

 ここから、いっそうに「運動」が展開され、それぞれに信心生活のうえにおかげをこうむり、信奉者一人ひとりが「神と人とあいよかけよで立ち行くあり方を世界に顕現する」というご神願成就のお役に立たせていただきたいと願うものです。

 今日、私たちの生きる世界は、地球的規模で進む自然破壊、宗教や民族の対立による武力紛争、さらには相次ぐテロ事件や核兵器開発など、平和を脅かすさまざまな問題を抱え、国内に目を向ければ、家庭崩壊や心の病のまん延、学校でのいじめや暴力、人命軽視と殺人事件の続発、社会的不正の頻発やモラルの低下、すべてを金銭価値に置き換える経済至上主義のあり方などが問題となり、社会の格差が広がるなど、社会不安はふくらむ一途にあります。

 こうした問題の元には、天地の親神様である天地金乃神様と私たち人間との本来の間柄、また、一人ひとりにかけられた神様の願いを知らず、「わが力で何事もやり」という人間中心のあり方に陥っている現実があります。天地金乃神様は、「天地の間に氏子おっておかげを知らず」「天地の間のおかげを知った者なし」と仰せになり、そうした人間の難儀をお嘆きになるとともに、「人を助けることができるのが人間である」「信心しておかげを受け、人を助けて神になれ」と仰せになり、すべての人の助かりをより強く願われています。そのような親神様の願いをかけられた私たちは、自らを生かしてやまない大いなる天地のおはたらきを畏(かしこ)み、互いに等しく神のいとし子同士であるとの思いを深くして、それぞれの存在を認め合い、共に助かる生き方を進めていくことが、いよいよ大切です。

 教団では、「世界・人類の助かりに向けて、金光大神の信心を求め現す─立教150年を迎え、この道のおかげの自覚をもとに、信心生活を進める─」との基本方針を掲げ、活動方針に「『あいよかけよの生活運動』の推進」を掲げています。

 教祖様に始まる歴代金光様のご神勤は、天地金乃神様のお頼みを受け続けに続けられてのものであり、同時に、「神と人あいよかけよ」の世界を求め現し続けてくださっての150年です。そのご神勤のお徳のなかで、教団があり、それぞれの教会があり、私ども一人ひとりが道づけを頂き、力づけられて、おかげを頂いてきています。そのことをあらためて自覚し、信心生活を進めさせていただきたいというのが、基本方針の副題に込められた願いです。そして、「あいよかけよの生活運動」への取り組みは、信心させていただく私どもとして、そうした道の尊さとありがたさを自覚させていただくことで、そのお礼の心とさらなる願いに催されて、日々の生活のなかで人のことを祈り、人の助かるあり方を求めさせていただきたいという、その信心実践にほかなりません。

 立教百五十年のお年柄をお迎えし、全教信奉者が勢をそろえて、いっそうご神願成就のお役に立たせていただきたいと念願するものです。そのためにも、教祖様をはじめ歴代金光様が求め現されてきたご信心の歩みに思いを寄せ、それぞれにおかげを頂いてきた歩みを振り返りながら、共々にお礼を土台とした信心生活に取り組ませていただき、いっそうに「運動」の推進に取り組んでいくことが願われます。

 このたびの全教集会では、教会現場や信奉者家庭における「運動」への取り組みの実際を紹介し、あらためて信奉者としての信心生活のあるべき姿を求めて、ここからのさらなる展開を共々に求めさせていただきたいと存じます。
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投稿日時:2009/06/11 08:52:14.413 GMT+9



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