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神心引き出して自立生活へ【金光新聞】

矯正施設出所者の社会復帰を支援


 裁判員制度の開始に伴い、司法への関心は高まっているが、刑務所などの矯正施設を出た人が、自立した生活を送り、社会復帰を果たすための更生支援もいよいよ重要性を帯びている。

 法務省は平成18年度から、全国15カ所の初犯刑務所に、出所者等就労支援プロジェクトのスタッフを配置した。就労を確保することで出所者の再犯を防ごうとする取り組みで、私は実施当初より、ある刑務所で、就労支援を担当している。

 対象者は、1年から半年後以内に仮出所、または満期出所を迎え、本人が希望する場合に限られる。集団面談では、自己の経験(キャリア)を掘り起こし、将来の展望を持つことの大切さを伝え、個別面談で、職業の方向性を定めて再就職活動につなげていく。

 私はこれまでに150人を超える希望者と面談し、すでに、120余人を社会に送り出してきた。そして昨秋、ある30歳代の出所者から次のような手紙を受け取った。

『何とかなるだろう、何とかなるかな? 何とかならないかも…』

 「拝啓 受刑生活を送っている際、心優しく就労支援をして頂きまして本当にありがとうございます。

 私は、2年という月日を塀の中で過ごしましたが、初めのころは、刑期を無事に終えられるだろうかと、毎日の生活を考えるのに精いっぱいでした。しかし、出所日が近づくにつれ、解放される喜びとともに、就職への不安が大きくなっていきました。

 『何とかなるだろう、何とかなるかな? 何とかならないかも…』と、気持ちがどんどん下がってきた時、就労支援のことを知りました。

 そして、自分の不安を話すごとに、希望を持てる気持ちが強くなっていきました。『これまで10年以上、塗装工として働いてきた経験を生かすためにも、決して卑屈にならずに胸を張って前に進んでください。これからの働き方、生き方が大切であり、自分の腕に自信を持ってください』という先生の言葉に勇気づけられました。

 出所した翌日、ハローワークに行き、塗装工に応募しました。事業主との面接では、元受刑者だとありのままを話したところ、『仮釈放中? そんなのどうでもいいこと。大切なのはハートだ! おまえの立ち止まりたくないという前向きな心が気に入った。こっちからも、うちで働いてもらえるようお願いする』と言われ、採用が即決しました。

 今の私には、はっきり言えます。『自分に自信を持ち、前向きに進もうという強い意志を持つことを忘れなければ、必ず良い結果が待っている』と。自分に無理をせず、一歩一歩前へ進んでいきたい。そして、いつか私のように不安な気持ちを持っている人を、大きな心で受け入れることができるよう、頑張っていきます。敬具」(抜粋) 神様は、私を通してこの人の前に立ち現れ、その神心を引き出してくださった。そしてこの先も、この人が接する人々にお働きくださることを強く感じる。

 神様は、難儀な氏子を救い助けるため、「神の働きを世に現してほしい」と願われ、人間である教祖様のお力を必要となされた。その教えに連なる私たち信奉者もまた、難儀に苦しむ人々と出会う場所には、いつでもどこでも、神様、教祖様、そして歴代金光様の祈りと願いが、一層強く働いてくださることを実感しながら、お役に立たせて頂く姿勢で臨みたいと思う。

中谷 智美(キャリアカウンセラー)

投稿日時:2009/10/26 09:08:52.651 GMT+9



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