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孤独から助かりの道へ 【金光新聞】

きっと助かる!

 装束姿のおじいちゃんの写真―助かりへの歩みは、このセピア色の古い1枚の写真から始まりました。
 竹中美里さん(51)は3度の離婚を経験し、うつ病を患うなど、次々と問題を抱えて苦しんできました。その彼女の手元に、装束姿の老人が写っている一枚の古い写真がありました。写真に関して分かっていたことは、父親の実家が金光教の教会であること、装束姿の老人は祖父であること、そして40年前に1度だけ、父親に連れられて美里さんはその教会へ行った記憶があるということでした。
 美里さんは以前から、その写真のことが妙に気に掛かっていました。そこで、ある神社で見てもらったところ、「この人は徳の高い神官で、あなたを守ってくれている」と、神職の人から言われたのです。そんな写真なら自分が持っていては相済まない。祖父の教会へ納めたほうがいいと思い、電話番号を調べて教会に電話をしてきたのです。

 美里さんは教会の先生に、電話を通してこれまでのつらい人生を語り始めました。彼女のいとこに当たる教会の先生は、その内容をしっかり聞き取ると、「おじいちゃんの写真は、納めてしまってはいけないよ。そばで守ってもらって、精いっぱいお願いしていきましょう。あなた自身が変わっていけば、必ず、周りも変わっていくからね」と伝えました。
 美里さんはこの時から、自分の命が天地とつながったような心持ちになりました。「きっと助かる!」。そんな感覚に包まれると同時に、自分はもう孤独ではないんだと、心に安らぎを覚えました。
「自分の周りにはいつもおじいちゃん、お父さんお母さんがいる。また、神様、金光様が守り、包み込んでくださっている」。そう感じられるようになり、不安定だった心は少しずつ、穏やかさを取り戻していきました。それでも、依然として問題は起こりました。教会まで片道700キロ以上あることから参拝はできないものの、毎日、電話やメールで取次を願いながら、心の向きを調え、神様のみ思いを求めるけいこに取り組みました。

あなたたちの子どもでよかった

 そうして2年ほどたったころ、美里さんは、子どもたちにも金光教の信心を知ってほしいと真剣に願うようになりました。そして今年の教会の天地金乃神大祭に、娘2人と参拝したいと願いを立てたのです。
 ところが、願い始めた途端、次々と問題が起きてきて、参拝を断念しなければならない瀬戸際まできましたが、母親の落胆ぶりを見かねた長女(26)が教会まで車を運転してくれることになり、40年ぶりの教会参拝が実現できたのでした。

 美里さんはご神前にぬかずき、むせび泣きました。
 ご霊前では教会の初代である祖父の遺影の前に美里さんの両親の写真を供え、「お父ちゃん、お母ちゃん、美里はあなたたちの子どもでよかったです。お父ちゃんのおかげで、金光教に出合うことができました。本当にありがとう!」と涙ながらに感謝を述べました。
 美里さんのこの喜びは、彼女自身のこれからを変え、さらに周りの人たちの人生をも良いものへと変えていくことでしょう。自分自身が良い方に変われば、必ず周りも変わっていくのですから。
メディア 文字 

投稿日時:2011/10/21 10:43:05.567 GMT+9



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