title.jpg

HOME › 形より二人の心大切に 【金光新聞】

形より二人の心大切に 【金光新聞】

指輪が見つからない

 「大変、どうしよう…」。由美さん(23)は、金光教本部広前での参拝を終え、境内に出たところで青ざめました。
 「どうしたの?」と問い掛ける大輔さん(33)に、「指輪が見つからないの。さっき、お参りする前に手を洗ったでしょ。その時、指輪を外してポケットに入れたはずなのに、それがないの。ごめんなさい」と、今にも泣き出しそうな顔で応えました。
 由美さんは去年の初夏、大輔さんと出会い、交際を重ねてきました。
 由美さんは大輔さんと出会うまで、金光教のことは知りませんでした。
 大輔さんは、祖父母の代から金光教の信心に取り組んでいる家庭で育ちました。由美さんは大輔さんの誠実さや優しさ、そしていつも自分のことを神様に祈ってくれる姿を通して、金光教への親しみを感じるようになっていきました。そしてこの日、婚約のお礼と、ここからの立ち行きを願って、二人そろって初めて金光教本部へ参拝したのです。
 なくした指輪は、大輔さんから贈られた婚約指輪でした。

 「ご本部にお参りさせてもらったのに、大切な指輪をなくすなんて、本当にごめんなさい」。何度もわびる由美さんに、大輔さんは、「形にとらわれるより、二人の心を大切にしなさいという神様のメッセージと、僕は受け止めたいと思う」と、言葉を掛けました。
 そうは言いながらも、正直なところ、二人には多少残念な思いもありました。しかし、いつまでも悔やみ続けることはやめようと、思いを変えることができるように心の中で神様に願いました。
 その後、由美さんは家族やお世話になってきた親戚への、本部参拝のお土産にと、名物のまんじゅうを買い求めました。そして、列車を乗り継ぎながら、家路を急ぎました。

神様がプレゼントしてくださった

 途中、二人は大輔さんが参拝している教会に立ち寄り、お礼のご祈念を済ませると、教会の先生に指輪の一件を詳しくお届けしました。
 先生は、しばらく目を閉じて祈りを込めた後、「そうですか。それはつらい思いをしたことでしょう。でも、指輪に込めた思いを二人で大切にさせてもらうことが大事ですね。神様は決して、悪いようにはなさらないから。大丈夫ですよ」と応えました。
 そうして教会を後にした二人は、それぞれ帰宅の途に就きました。
 それから小一時間がたったころのことです。大輔さんの携帯電話が鳴りました。由美さんからの電話でした。
 その内容を聞いて、大輔さんはすぐに教会に参拝しました。そこには、大輔さんのこぼれるような笑顔がありました。

 「先生、指輪が見つかりました! 彼女から連絡があって、お土産をみんなに渡そうと袋から全部出し終わった時、その袋の底にあったそうです。どう考えても、お土産袋に入っているはずはないのですが…。彼女は『神様が、あらためてプレゼントしてくださった』って言って喜んでいましたが、僕もそうだと思います。本当にありがとうございました」
 この出来事を通して、二人は神様の働きをより身近に感じるようになりました。きょうも、結婚に向け、ここからの歩みが確かなものとなるように祈る、二人の姿があります。
メディア 文字 金光新聞 信心真話 

投稿日時:2011/12/20 16:00:54.842 GMT+9



このページの先頭へ