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信心に導かれての半生 【金光新聞】

「世のお役に立つ人になりましょう」

 東山真人さんは現在69歳。岡山県吉永町の出身で、その半生は信心に導かれてのものです。
 父親は映画の上映事業に失敗して、鉱石を馬車で運ぶ仕事に就いていました。母親が金光教にご縁を頂いたのはこのころでした。急にバックしてきた馬車で膝を痛め、近所の人の導きにより三代金光様のもとに参拝し、帰りにはつえを突かなくても歩けたそうです。
 その後、父親は福岡県で事業を起こしましたが再び失敗し、妻と6人の子を残して出奔してしまいました。途方に暮れた母親は実家に次男と三男を預け、真人さんら4人の子を連れて吉永町に帰って鉱山で働きました。
 しかし、体を壊したため、「夫婦まんじゅう」を焼いてかつがつ生計を立てました。貧しさや寂しさにくじけそうになる中、母親は再び金光様にお参りし、信心を支えにつらい日々を乗り越えていきました。

 数年後、一家は西大寺へ転居し、神様とのご縁が展開しました。2月、西大寺観音の会陽(えよう)が近づき、金光教のボーイスカウト隊が呼び掛けた交通整理のボランティアに応募した真人さんは、そこで多くの人から感謝の言葉を掛けられ、人のお役に立つ喜びを体験しました。これを機にスカウト隊に入り、教会へ参拝して、教会の先生からは「世のお役に立つ人になりましょう」といつも教えを頂きました。
 定時制高校、夜間の短期大学を働きながら卒業すると、製薬会社に入社して、持ち前のパワーと心の込もった応対で業績を上げ、結婚して2人の女児にも恵まれました。

神様と母へのご恩返し

 そんな真人さんに転機が訪れました。京都への転勤話が出たのです。
 しかし、次女がアレルギー性紫斑病で入院中、また、母親も病気がちで、2人を残して転勤することに不安を感じ母親に相談すると、「金光様にお参りしておいで」と言われ、真人さん夫婦は四代金光様にお取次を願いました。
 金光様は、「どんな仕事も役柄として受け止めて、お役に立たせて頂きましょう。娘さんの病気は、これまでのお礼を申しながら神様と医師にお任せしましょう」と、み教えくださいました。
 翌日から真人さんは日参(毎日の参拝)を始め、お礼を申す稽古に努める中、次女の病気は医師の勧める食事療法で全快しました。ちょうどそのころ、新設病院の事務長にとの話が持ち上がり、これを神様のおぼしめしと受け止め、新しい仕事に勇躍赴任しました。
 日々、お取次を頂いて仕事に専念し、職場近くに家を新築して母親とも一緒に暮らせるようになりました。さらに、子どもの学校の保護者会長や金光教輔教のご用を頂きながら関係者の身の上を一心に祈り、苦しむ患者さんのことは、お供えを添えて金光様にお願いしました。真人さんはその後、職場を変わりましたが、今も信心生活に励んでいます。

 「子どものころからの苦労を、苦労とも思わず今があるのは、全て亡き母のおかげです。母が伝えてくれた信心によって、私は、生かされて生きる喜びを知りました。日々、御取次を頂き、お礼を土台とした生活の中から、万事にお繰り合わせを頂いてきたことを思う時、金光様に心から御礼を申し上げずにはおられません。私の毎日は神様と母へのご恩返しです」
 そう自らを振り返りながら、真人さんは明るい笑顔を見せました。
メディア  

投稿日時:2014/04/22 19:47:28.645 GMT+9



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