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駐車場も神様のお土地【金光新聞】

駐車場利用者への巡る思い

 私(51)がご用している教会の裏山には、墓地があり、日頃からお墓参りをされている人の姿をよく見掛けます。特にお盆やお彼岸には、家族連れで多くの方が参拝されます。
 去年の夏のことです。その裏山が台風の直撃を受け、幾つかのお墓が崩れてしまいました。数日後、「明日、崩れたお墓の移転工事をしたいので、工事用のトラックを教会の駐車場に止めさせてもらえませんか」と石材店から電話があり、使ってもらうことになりました。
 翌朝、「これから置かせてもらいます」とあいさつに来られ、「どうぞ、事故やけががありませんように、無事に移転できますように」と声を掛けました。「参拝者用のトイレがあるので、使ってくださいね」と言い添えると、石材店の方から「ありがとうございます」と元気な声が返ってきました。
 夕方、工事を終えて、あらためてお礼のあいさつに来られました。また、駐車場のくぼんだ箇所に砂利を入れてくださっていました。そこは水はけが悪く、よく水たまりができるので困っていたのです。私はびっくりしてお礼を言うと「お世話になりましたから」と、にこやかに答えてくれました。
 そして帰り際に、「また、何かあればいつでも使ってくださいね」と、見送りました。石材店の方とは前日の電話から何度か会話を交わしただけでしたが、私は何とも言えないうれしい気持ちになりました。
 
 しかし、うれしい気持ちになれないこともたくさんあるのです。お墓参りに来られた人が無断で駐車場を使っていることもあります。そんな人と駐車場で鉢合わせすると、「しまった。見つかってしまった」と、ばつが悪そうにそそくさと車に乗って帰る人もいます。そればかりか、開き直ったような態度を取る人や不機嫌そうな顔をする人もいます。
 「駐車場を貸してください」と、一言声を掛けてくれるだけでこちらの気持ちが全然違うのです。勝手に使われると、腹立たしいとまでは言いませんが、やはり悲しい思いになってしまいます。
 それに対して、私の母である教会長はいつも、「教会の境内なんだから、神様のお土地を踏ませて頂いたら、その人もおかげを頂きますよ」と、気に留める様子はありません。私も、頭では分かっていても、なかなか納得できません。

「天地金乃神様は私たち人間の親神様」

 そんなある日、また教会の駐車場を勝手に使っている人と出会いました。「一言あれば、 互いに気持ち良いのに残念だなあ」と思った時に、ふと、「天地金乃神様は私たち人間の親神様」というみ教え が頭に浮かびました。よく考えてみると、自分も神様に対して同じようなことをしているのではないかと思ったのです。
 ここは私の駐車場だという気持ちがそうです。確かに教会の駐車場ですが、その土地は神様の土地をお借りしているだけのことなのです。
 それは土地だけではありません。私の体も同じです。神様から頂いている体であるにもかかわらず、そのことを知らず知らずに忘れてしまう自分であることを思い知らされたのです。

 それ以来、毎朝外へ出て、自分がいかに今まで身勝手な生活をしてきたのかということをおわびし、今日の命を頂いて神様のお土地に住まわせて頂いているお礼を申し上げるようになりました。

※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています。

(「心に届く信心真話」金光新聞2016年1月17日号掲載)
メディア 文字 信心真話 金光新聞 

投稿日時:2017/05/19 15:00:00.000 GMT+9



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