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ご神米をよりどころに【金光新聞】

いてもたってもいられず

 11年前の夏のある日、私(34)が長男を幼稚園へ迎えに行き、いつものようにママ友の輪に加わったところ、知子さんが深刻な表情で時折涙ぐみながら、何か話していました。
 詳しく聞いてみると、知子さんの長男の広治君(3)が目の小児がんにかかり、数日後には片方の眼球を摘出するというのです。私はいつも元気に園庭で遊んでいる広治君の姿を見ていただけにびっくりしました。
 そのころ知子さんは、2人の子どもの育児に加え、義母の入院の介助、さらには実家の両親の世話と忙しく、広治君の目に異変を感じていながら、すぐに病院に行けませんでした。ようやく受診した時にはかかりつけの病院では手に負えないと診断され、すぐに大学病院を紹介されて、数日後に手術を受けることになったそうです。知子さんは「なぜもっと早く病院へ行かなかったのか」と、自分を責め悔やんでいました。

 帰宅後も、私は広治君のことが気になって仕方がありませんでした。すぐに教会に参拝して先生にお願いをし、 ご神米 (※) を下げて頂きました。私はご神米を受け取った途端、「ぜひ、おかげを頂いてもらいたい」という強い思いが心の底から湧いてきて、その足で知子さんの家を訪ねることにしました。以前、会話の中で、おおよその住所を聞いていた程度でしたが、無事たどり着くことができました。
 そして玄関先で迎えてくれた知子さんに、広治君のここからの立ち行きを神様にお祈りしていることを伝え、ご神米の説明をしました。知子さんは少し驚きながらも、「わざわざ家を探してきてくれたんだね。本当にありがとう」と喜び、ご神米を受け取ってくれました。

無事に手術は成功し

 その後、手術当日まで、知子さんは私に電話でなにかと相談してくれました。時には、「親の世話を一生懸命しすぎたから広治を病院に連れていくのが遅れた」と自分を責める知子さんに「神様は親孝行を喜ばれるのだから、大丈夫よ」などと神様のことを少しずつ話しました。
 そして、手術の日を迎え、広治君の手術は無事成功し、転移も見られませんでした。
 手術後、知子さんから「手術の日、病院にご神米を持っていきました。私の心のよりどころでした」と話してくれました。私は神様が働いてくださったことを実感しました。

 そして、神様は知子さん自身やご家族も信心されることを喜んでくださるのではないかと思い、そのことを神様にお願いするようになりました。そして、タイミングを見計らって月に1度教会で行われている少年少女会活動に誘うようになりました。
 すると数カ月に1度「信奉者ではないですが…」と言いつつも参加してくれるようになり、数年たったころには参加回数も増え、「教会に行った日は2人の子どもが家に帰っても良い表情になるんです。教会でいろんな経験をさせてもらえてありがたいです」と、喜ぶようになりました。そして知子さんは月例祭にも参拝するようになりました。広治君は元気に成長し、現在、中学生になり、勉強と部活動に励んでいます。
 今後も知子さんのご家族が末々まで安心のおかげを頂かれるように願っています。

※ご神米=神徳が込められたものとして授けられる洗い米。剣先形に折った白紙に入れられている

(「心に届く信心真話」2017年7月2日号掲載)
メディア 文字 信心真話 金光新聞 

投稿日時:2018/09/25 15:44:16.679 GMT+9



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