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考え改め子どもに変化【金光新聞】

神様は決して離しません。

 10年前、教会でご用する私(44)の所に、みちよさん(40)という遠方の方から毎日、次のような内容のメールが送られてきました。「高校受験を間近に控えた娘がうつ病のようになっております。人前に出るとパニックになりそうで、怖くて息ができなくなるそうです。典型的なうつ症状によるパニック障害と思われますが、病院で受診した方がよいのかどうか迷い、途方に暮れています…」みちよさんの職業は看護師です。しかも思春期の子どもたちの鬱(うつ)や心の病を治療する病棟を担当していました。まさか自分の娘がその状態になるとは夢にも思っていなかったわけです。また娘には何不自由ない生活をさせて、優しく、しっかりした人になるようにと教育をしてきたつもりだったので、なぜこのような状況になったのかと苦悩しました。
 
 私は毎日、必死に神様にお願いしました。しかし、状況は一向に好転しません。とうとう娘さんは部屋に引きこもり、リストカットを繰り返すようになりました。
 その後、何とか地元の高校に進学しましたが、すぐに不登校となり、部屋に引きこもって、物を壊すなど暴れるようになっていきました。
 みちよさんはお手上げ状態で、「娘を殺して私も死のう」とさえ思ったそうです。
 私は「苦しい子どもにとって、親が最後の絆であり救いの手です。神様は決して手を離されません。自分からは切らないでください。私も決してあなたの手は離しません。あなたは娘さんの手を離さないでください。
時節が来れば必ずおかげを頂きます。今はしっかりと神様にすがる稽古をしてください。子どもを責めずに、こちらが改まり取り組んでいく以外にありません」と、毎日のようにメールで信心の道筋を伝えさせてもらい、みちよさんも必死で神様にすがる稽古に取り組みました。

気付き、改まり

 そんなある日、娘さんが学校から帰ってくるとクラスでの不満を話し始めました。「教室が騒がし過ぎる。皆、勉強ができないし、幼稚園みたいだ!」みちよさんは人を見下した娘の言い方に驚きました。そして同時に「このように育てたのは私なのだ」と気付きました。みちよさんの住んでいる住宅街は、隣近所に名門進学校に通う子どもたちがたくさんいます。みちよさんの夫も名門大学を卒業しています。言葉にこそ出しませんが、みちよさんは、自分の娘もいい学校に進学させて周りに認められたいと思っていました。
 娘さんはその思いを肌身に感じていたのです。みちよさんは、そのことに気付いてから、自分の見えや世間体を捨て、自身が改まることに取り組み始めました。すると、娘さんを取り巻く状況にさまざまな変化が現れてきたのです。引きこもっていた娘さんを友達が毎朝、学校に誘いに来てくれるようになり、次第に娘さんは学校に通えるようになっていきました。そうして、うつ症状はだんだんと収まり、その後も楽しく学校生活を過ごせるようになりました。

 現在、娘さんは結婚して幸せに暮らしています。みちよさんが娘さんを「変えよう」としていた時には、状況は好転しませんでした。しかし神様にすがり、みちよさん自身が「変わること」に取り組んでいく中で、娘さんも母親も救われていったのです。


(「心に届く信心真話」2018年1月28日号掲載)
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投稿日時:2019/05/13 08:57:18.389 GMT+9



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