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一生懸命 神様に願えば【金光新聞】

願えば夢にも見るのか

 私(80)の家は、金光教の信心を始めて100年目を迎えました。その間、家族に大切に伝えられてきた話があります。
 それは99年前、信心を始めたばかりの叔父が、教会のご用に励んでいた春の出来事です。
 当時、教会では、数日後にお祭りが仕えられる予定で、先生が「今度のお祭りに、タケノコをお供えさせて頂きたい」と言われました。叔父は実家の裏にある竹やぶで、昔は採れていたことを伝えると、「それならぜひタケノコが出るおかげを神様から頂きましょう」と、思いも寄らない返事が返ってきたのです。
 そうは言われても、自分ではどうすることもできません。叔父はひたすらに神様に祈るしかありませんでした。

 いよいよお祭りの日が近づき、教会に泊まってご用をしていた夜のことです。実家の竹やぶの中に、2本のタケノコが顔を出している夢を見ました。叔父は「願えば夢にも見るのか」と思い、実家に帰ると、なんと本当に夢と同じ場所にタケノコが出ていたのです。
 すぐに教会にお供えに行くと、先生は「私は師匠から『神の用を氏子がさせて頂けば、氏子の用は神が心してやるぞ』と教わっています。神様はあなたに、このみ教えを現実に見せてくださったのですね」と言って、喜んでくださいました。 私は幼い頃から、この話を聞かされてきましたが「本当にそんなことが?」と半信半疑でした。

神様に生活の安定と家族の安心を

 高校1年生の時のことです。突然、父親が病気で亡くなり、私が家計を支えなければならなくなりました。学校を辞め、家業の炭焼きを継ぎましたが、どんなに頑張っても家計は厳しいままでした。不安を感じていた私は、ふと叔父の話を思い出し、「まねでもいいからやってみよう」と、教会に参拝して、神様に生活の安定と家族の安心を願いました。
 するとその後、教会の信者さんから、電報会社の配達員の仕事を紹介して頂き、臨時職員に採用されました。そして2年後には、正職員に採用され、安定した収入を得られるようになりました。
 この一連の出来事を通して、み教えの通り、神様は私が願っている姿をご覧になっているのだと感じました。そして、神様に喜んで頂けるよう、ご用に使って頂きたいと思うようになりました。その後、車の免許を取得してからは、教会で車が必要な時に送迎のご用にお使い頂いたり、掃除をさせて頂いたりと、できることは何でも取り組むようになりました。

 6年前、息子夫婦が子どもを授かった時、出産予定日を目前にして、息子が重い肺の病気で入院せざるを得なくなったことがありました。不安であろう息子夫婦に何もしてあげられない歯がゆさの中、「私にできることは神様に無事を願わせて頂くこと」と思えたことがありました。今思うと、「一生懸命、神様に願えば、後のことは神様が良いようにしてくださる」と、信じ切れていたからだと思います。事実、その通りに息子夫婦はおかげを頂き、家族そろって元気に暮らしています。
 人生には、自分の力ではどうすることもできない状況がたくさんあり、無理だと諦めたくなることもありますが、一つ一つ神様に願い、心を向けていく先に、神様は願った以上のおかげを授けてくださるのでしょう。この実感が、家族や周囲に広がっていくよう、これからも神様に願い、ご用にお使い頂きたいです。

※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています

「心に届く信心真話」2020年2月23日号掲載


メディア 文字 信心真話 金光新聞 

投稿日時:2021/05/04 04:37:49.536 GMT+9



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