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神様に心を変えて頂く【金光新聞】

祖母のように

 問題に直面する人たちに、信心して助かった自らの体験を話して力づけていた祖母。金光教の信心は、自分も周りもハッピーになるすてきなものだと教えてくれた祖母は、私(37)の憧れです。 
 10年ほど前、私は、何でも頭ごなしに言ってくる上司との関係に悩み、職場に行くと体調を崩してしまうようになりました。そんな状況から抜け出したいと思っても自分ではどうすることもできず、祖母に泣きながら胸の内を打ち明けていました。祖母は、最後まで私の話を丁寧に聞いてくれた上で、自分の体験を話してくれました。

 祖母も、同居する義父との関係でとても悩み苦しんだ時期があったそうです。それは、義父がある日を境に、孫である祖母の長男を厳しく大声で叱り付けるようになったからでした。祖母は戸惑いながらも、親の代わりにしつけてくれていると思おうとしたといいます。
 しかし、よく来る親戚の前では、そんなそぶりは見せずに、帰るとまた大声を出すのです。その裏表がある姿を見るうちに嫌悪感が募り、ついには義父の声を聞くのも、姿を見るのも嫌になりました。時がたつと、義父は孫を叱らなくなったのですが、一度できた心の黒いしこりは簡単にはなくなりませんでした。そんな思いのままでは心が助からないと感じた祖母は、教会に参拝しては「私の心を変えさせてください」と、神様にお願いしていたそうです。
 祖母は、「恥を承知で話すけれど、食事を作る時に義父の分だけ、わざと少なくしていたの。そうしないと心の収まりがつかなくて。何か心を変えるきっかけはないかと、義父が楽しみにするお出掛けの時に、お小遣いを渡そうと、いつもエプロンにお金を忍ばせていたけれど、どうしても声を掛けられなかった。だから、せめてもの思いで義父の下着を素手で洗って、泣きながら神様と義父へおわびしたこともあったのよ」と、当時の思いを包み隠さず語ってくれました。

お義父さん、肩をもみましょう

 ところがある日、つらい思いを心の中にとどめられなくなり、教会の先生に吐き出したそうです。先生は「あなたが、自分の心をきちんと見詰めて、一生懸命変わろうとしていることは、神様も受け止めてくださっていますよ。犬にノミがいても犬自身では取れないように、自分で自分の心を変えるのは難しい。けれど、神様に心を向けて変わろうとし続けていれば、必ずおかげを頂けます」と優しく諭してくださいました。
 そんな日々の中で、その日は突然やってきました。祖母が茶の間で義母の肩をもんでいると、義父が入ってきました。その時、自然と祖母の口から「お義父さん、肩をもみましょう」という言葉が出てきたのです。
 祖母は義父の肩をもみながら、心が喜びでいっぱいになり、涙がこぼれて仕方なかったといいます。それを機に、義父へのわだかまりはなくなり、亡くなるまでありがたい気持ちでお世話でき
たそうです。

 祖母の話を聞いて、救われた思いになった私は、「豊かで大きな心にお育てください」と、神様にお願いしながら出社するようになりました。そして、私の心が変わるにつれて、上司が働きぶりを認めてくれるようになり、関係も良好になっていきました。
 いつか、自分の体験を人に話せる機会ができた時、祖母のように信心がすてきなものだと伝えられたら、と願っています。

※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています

「心に届く信心真話」2020年3月1日号掲載
メディア 文字 信心真話 金光新聞 

投稿日時:2021/05/05 15:40:41.655 GMT+9



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