神人あいよかけよの生活運動

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金光教報『天地』 3月号 神人あいよかけよの生活運動


「いつも神様に話し掛けながら」  栄美・ミッシェル・埋ノ江―チン(アメリカ合衆国・ポートランド)

 昨年11月の第3回金光インターナショナル・ギャザリングでのスピーチから



変わってほしくない
 皆さんこんにちは。金光教ポートランド教会在籍の栄美・ミッシェル・埋ノ江―チンと申します。現在、金光教北米センターの所長として御用をさせていただいています。こうして昨年に引き続き、皆さんともう一度ご一緒できることを光栄に思います。
 昨年、私は13年ぶりにご霊地を訪れました。正直なところ、ほとんど何も変わっていないと感じました。ご霊地以外の周りの世界は変化し、発展していく一方で、ご霊地は全てがずっとそのまま、そこにありました。でも、私はそれが悪いことではないと気が付き、むしろ変わってほしくないと思いました。この清らかなよりどころは変わるべきではなく、そのことは私をほっとさせてくれるのです。

情熱は薄れていないか
 教祖生神金光大神様は、御取次を頂くことこそが、神と人、両方を救う道であるとお示しくださいました。今日、私たちの周りではさまざまなことが目まぐるしい早さで起こり、混乱した状態でありながら、どうにかうまくやりくりしているのではないでしょうか。近代科学技術、医薬品、自動車、スマートフォンなどを使いながらです。それらの技術が私たちの生活を楽にし、より多くのことを行えるようになった一方で、私たちはさらに忙しく、とても気ぜわしい生活を送るようになったと私は思います。私たちが生きる世界は神代(かみよ;神様中心の世界)から人代(にんよ;人間中心の世界)になってきていると実感しています。
 直信先覚の先生たちは、このお道の信心を情熱をもって、大きな山火事のように日本中に伝え、それは徐々に海を渡って北米区域、ハワイ区域にも伝えられました。国境を越えて金光教を広めることは、異なった習慣や文化を持つ国々に布教することであり、やりがいはありますがとても難しいことでした。
 北米区域を創られた先生方の「一心」の信心と情熱は、長い道のりによって北米に金光教を広めました。しかしながら今日、その炎、その情熱は、当時と同じ激しさを持っているとは言えないように思えます。私たちにはみ教えがたくさん残されており、教祖様よりもっと簡単にお道のことを知ることができ、信心して神様と対話することを示してくださる教祖様のご生涯があり、何よりお取次があるのにもかかわらずです。
 では、どうしてこのお道でもっと多くの人が救われていないのでしょうか。

人を助ける取次の働き
 私はかつて教主金光様に御取次を願い、このようなお言葉を頂きました。
 「ここがあなたの故郷(ふるさと)だということを決して忘れないように」
 私はこのお言葉を、神様のことを忘れず、いつも神様と共に信心をさせていただき、このご霊地が私の信仰の故郷だということを忘れないように、という意味だとずっと思っていました。
 しかし今、このお言葉には、金光様が私に伝えようとしてくださった大切なメッセージがもう一つあると気が付いたのです。
 それは、自分自身を、また人を助ける鍵は、御取次を頂くことである、ということです。常に神様に話し掛け、神様に祈り、神様とコミュニケーションしながら信心させていただくことです。
 そして、私に授けられたこの命という贈り物に感謝をすることです。この気付きこそが、私たちと神様をつなぐのです。頭では知っていたのですが、本当にその大切さが分かったのは最近でした。
 今年、新しい北米センター所長となるために準備をさせていただく中で、信奉者全体の数が減っていること、北米区域の活動への参加者の数、御取次を願う人が減っていることが分かりました。「どうしてなのか?」と、私自身に問い掛けました。
 それにはさまざまな理由があるでしょう。現代の医療・治療法の進歩、あるいは忙し過ぎる生活が、人々が神様の助けを求め、御取次を願うことを妨げているのかもしれません。私たちが、科学技術や、医療や、その他に依存した人間中心の人代になればなるほど、神様とのコミュニケーションはどんどん減ってしまい、私たちが賜った命への感謝がうやむやになってしまうのではないかと恐れています。
 私たちは、自分が頂いている命を自分の力では保つことができない、ということを忘れがちです。私たちのありがたいこの命は、神様をとおして賜ったものであり、それは私たちに、人を愛したり、人から愛されたり、人を助けたりして、人を幸せにする力を与えてくれるものです。
 「知識は力である」と言う人がいますが、勉強にせよ、信心にせよ、あるいは運動するときでさえ、知識そのものが役に立つのではありません。私たちは生かされて生きている、ということを理解して実践することとともに、身に付けた知識の使い方を知らなければ、改まったり、前に進んだりすることはできません。

神様を求めているか
 今年、北米区域では、自分自身をしっかりと見つめ直そうとしています。大きな理論的な考え方を、より小さな、個人に焦点を当てた考え方から始めるように変え、「どのようにしたら信奉者が毎日の行動をとおして、神様との関係を深められるか?」を問題にしています。現実的なレベルで神様と自分の関係を分かることによって、「心の中から笑顔に」ならせてくださる神様を理解し、感謝させていただけるようになることを願っています。
 北米区域では、どうして、またどのように、自分の命に感謝しなければならないかを、4つのことを自分に問いかけることによって分かってほしいと取り組んでいます。
 1 、私の人生の目的は何か? 私はこの人生において何をしたいのか?
 2 、私の人生において神様はどのような役割をされるのか?
 3 、私は神様との関係を求めているか? 何のために?
 4 、神様と共にこの人生を満たすために、私はどのようにして神様との関係を維持しておかげを受けるのか?
 今年、北米区域では、「心の中から輝こう」という4年間の運動の最初の年で、今年のサブテーマは「心と頭と体をとおして」です。
 私たちが生きているのは、心と頭と体が、それぞれお互いに関わり合って成り立っているからです。感謝の心と健康な肉体を保つために、それらがバランスを取って、たとえ人生に壁が立ちはだかったときにも、前に進むことができる穏やかな心を与えてくれ、希望と癒しをもたらしてくれるのです。

神心を道しるべに
 私たちは幸せになるための地図を持っています。日々、信心の実践をさせていただく中で得た知識と体験をもって、神様が一人ひとりの心の中から光り輝いてほしいと願って放たれるみ光を、私たち皆が輝き渡らせ続けることができるよう、祈らせていただきます。
 だから、私たち一人ひとりが持つ神心を、あなたとあなたの周りの人たちを導く希望の道しるべとさせていただきましょう。そして、私たち皆が「光り輝き、心の中から本当の笑顔にならせていただける」ようになりましょう。
 私はご霊地と呼ばれるこの神聖な場所へ、もう一度戻らせていただきました。この清らかな金光教のよりどころは、変わるべきではありません。そして同時に、私たちはこの確かなお道から外れることのない信心をさせていただかなくてはなりません。神様のおぼしめしを忘れてはならず、また私たちが賜った命への感謝を忘れてはなりません。
 最後に、北米区域を代表して、教祖生神金光大神様と歴代金光様にお礼を申し上げます。また、教主金光平輝様とご家族の皆様の日々のご神勤とお祈り添えによって、私のような者も含め、世界中の人々が、引き続き、このご霊地を訪れ、参拝させていただくことができ、生神金光大神様の御取次を頂くことができることにお礼を申し上げます。このことが決して無くならず、さらに多くの人が、これから先も代々続いて救われていくように、お祈りさせて頂きます。ありがとうございました。
(2018/3)

   



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