神人あいよかけよの生活運動

HOME › 教会信奉者の方へ › 神人あいよかけよの生活運動 › 「教報天地」運動のページ

教報天地 2月号 神人あいよかけよの生活運動

 喜びの稽古を積み重ねて

 2013年9月に本部教庁で開催された教務センター所長会議で、棚橋信美師(京都・京極)が行った発題の内容を抜粋して紹介いたします。

隣家で大きな音が
 Bさんは、親の信心を受け継ぎ、子どもの頃から少年少女会にも参加して、お育てを頂いてきた女性です。40歳の時、ご主人を病気で亡くしてからは、女手一つで2人の子を育てながら、エステ店を経営しています。お店はビルの一階の三軒続きの南側にあり、店を構えて約30年になります。 
 今春のこと、空いていた真ん中の店舗から大きな音がしました。慌てて外に出ると、北側の接骨院の先生も出てきて、2人で確認すると、改装工事が始まっていました。工事のことは聞いておらず、新しいオーナーが誰かも分かりません。接骨院の先生と話し合い、マンションの管理会社に尋ねて、なんとか新しいオーナーと連絡がつきました。
 そもそも接骨院が開店した時も、知らない間に工事も終わり、ほとんど関わりがないままでした。しかし、今回のことで懇意になった接骨院の先生が交渉してくれ、工事を始めたオーナーと話ができることになりました。
 Bさんはその後、教会にお参りしては、「今、工事はこういう進捗状況です」とお届けされました。その内容も、「こうなってほしい」と自分の要望を立てるのではなく、あるがままの現状を受け入れて、みんなが立ち行くお繰り合わせを頂くことを願われるものでした。

わが事のように
 ある日、Bさんから、「新築されるのは飲食店です」というお届けがありました。私は、「あなたのお店はエステで、北側は接骨院で、これまでは周囲に影響はなかったでしょうが、飲食店となると匂いの問題が出てきますね。排気はどうなっていますか」と尋ねました。「たぶん店舗の前に排気するでしょう」と言われましたが、それは三軒共通の入り口がある場所です。「匂いが入ってきて、営業に困ることはありませんか」と問うと、Bさんは慌てて店に戻り、ビルの管理会社や工事会社に確認すると、「表に排気することはありません。ちゃんと天井から裏に排気します」ということでした。
 そこで、飲食店のオーナーを交えて、ビルの管理会社と図面を照らし合わせると、Bさんの店の上をダクトが通っていて、南側の壁面から排気することが分かりました。私は、「あなたのお店や南側の住宅に匂いが流れるのではないですか。ご近所に挨拶はしてあるのですか」と言うと、Bさんは自分のこととして近所を訪ねて回り、排気の仕方にも検討をお願いし、匂いが周辺に充満しないようなあり方に整ってきました。そうした近所への配慮を尽くしたことで、地域の問題に発展していくこともありませんでした。
 Bさんは、隣家の工事でありながら、わが事のように教会でお取次を頂いてきました。そのなかで、自分が何をさせていただくべきか、どういう思いで取り組んでいけばよいのかを考えながら、神様が順を追って一つずつ進めてくださることに喜びを感じていました。無事に隣りが開店した時は、これからのお店の繁盛も願われました。
 その直後のことでした。前年にエアコンを取り替えてもらった業者に、蛍光灯の取り替えを頼んだついでに、調子が悪かったエアコンを見てもらうと、隣りの飲食店の大きな室外機の排気が、Bさん宅の室外機に向かって吹き出していることが分かりました。
 Bさんは業者の人と、隣店のオーナーに事情を説明し、室外機の移動をお願いしました。それまで隣りのお店の繁盛を神様にお願いしてきた身として、事穏やかに説明されたところ、「どうぞよいようにしてください」と返事をもらえ、室外機を設置し直すことができました。

紙に記してのお取次
 Bさんは、「隣の工事が始まってから、どんなことも神様がよいようにしてくださり、困ったことを解決してくださいました。神様のお働きはありがたいことです」と言われます。それまでのつらく苦しい人生のなかで、お取次を頂き、おかげを頂くなかで、神様のお心やお働きが少しずつ本人のなかに積み重ねられてきたからです。
 Bさんは普段のお取次でも、言葉だけでなく、その内容を紙に記してお届けされます。私はそれを見ながら聞かせていただきますが、Bさんは紙に書かれたそのままに、すらすらとお届けされるのです。自分がどのようなお届けをさせていただくことが、神様に届くお取次の頂き方になるのか、自分なりに考え、こつこつと努力をされているのです。もちろん、うれしいことや楽しいことばかりではなく、悲しいことやつらいこともお届けされますが、そうしたお取次をとおして、すべて神様のお計らいを頂き、おかげの道筋が生まれるのだという確信を持たれているのです。
 金光四神様は、「八寸のものを一尺に喜ぶものは、足らんところは神が足してやる」とみ教えくださっています。その信心の筋道を一つ一つ確認しながら、喜びを持って歩ませていただくことが大切であり、Bさんは、それまでの人生をとおして、自分の身の上に起こってくるすべてを包み込んでお働きくださる神様のおかげを実感されています。お取次を頂くことで、事柄の大きい小さいにかかわらず、みな神様の働きとして実感され、そのことを喜ばせていただく稽古の積み重ねのなかから、次第に神様のおぼしめしとして受けていく信心になっていかれたのです。

(2014/2)

   



このページの先頭へ