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金光図書館所蔵品展2020-彫刻家・金子九平次と紅型染作家・木島洋子親子の作品を中心に-

『春愁(しゅんしゅう)』と金子九平次
 初代金光図書館長でもあった金光鑑太郎は、文化を大切にした人でした。では、文化とはなんでしょうか?
 それは、庶民の生きた生活、その生活の実態の中から生まれてくる、生きる喜びのしみこんだ生活の仕方、それを四角ばらず真実に表現することではないでしょうか。
 初代館長は、文化人や芸術家たちとの交流、ご自身の信心生活をすすめる中で、日常の生きる喜びのしみ込んだ生活の仕方そのものが文化であると捉えられたように思われます。
 この度の展覧会で、作品に宿る信心の喜びや美しさに触れることで、見る人も命が生き生きと輝いていく、そうした信心の広がりや喜びを味わってください。

紅型染作家・木島 洋子(きじま ようこ)氏


ブールデル美術館のアメリー・シミエ館長と木島洋子氏
 木島氏は幼い頃から、1日中アトリエで仕事をしている父・金子九平次氏を見て育った。現在、紅型染作家として活躍し、ご霊地に参拝する際には、自身が作成した紅型染の琉球紅型を金光図書館などに寄贈されている。今回の所蔵品展に当たり、次のように話している。
 「父の作品と、私の琉球紅型の作品を並べて展示して頂き、ありがたいことと思っています。紅型作りにはたくさんの工程があり、とても時間がかかりますが、一つ一つの工程を丁寧に取り組むことに面白さを感じます。水で洗い、仕上がった時、想像した以上のきれいな色合いになる時があり、今度はどんな色になるんだろうかと、毎回このわくわく感を楽しんでいます。皆さんにもぜひ感じてもらえたらと思います」

木島洋子氏の作品

【琉球紅型染(びんがたぞめ)】

沖縄を代表する伝統的な染色技法の一つ。紅型の「紅」は色全般を指し、「型」はさまざまな模様、柄を指すといわれる。天然染料が使われ、はっきりとした鮮やかな色合いが特長。



作品展動画


彫刻家・金子九平次(かねこくへいじ)氏


 金光教ゆかりの彫刻家・金子九平次氏は、明治28(1895)年に生まれた。父は東京都御田教会初代教会長の金子吉蔵師で、宮大工の彫刻家でもあったため、金光教本部の大教会所建築にも尽力した。その後、大教会所は火災によって多くを焼失したが、吉蔵師が手掛けた正門が境内に現存している。
 九平次氏は金光中学校(現金光学園中学・高等学校)を卒業後、大正から昭和初期に活躍した長谷川栄作に彫刻を学び、大正10(1921)年、26歳の時に第3回帝国美術院展覧会に「春愁(しゅんしゅう)」が入選。翌11年、三代金光様のご支援のもと渡仏した後は、アントワーヌ・ブールデル(1861〜1929)に師事し、多くの作品を世に送り出した。
 大正15年に帰国後、国画創作協会の彫刻部会員となり、昭和12年、新古典美術協会を創立主宰するなど活躍した。また、宗教と芸術の重要性を感じていた九平次氏は、本教信徒の参加を得ながら展覧会を開催するなど、金光教における芸術運動にも情熱を注いだ。
 なお、代表作の一つ「春愁」は九平次氏がフランスに渡る際、お世話になった三代金光様にお供えされ、当初は金光家の玄関に飾られていた。現在は、本部総合庁舎1階ホールに展示されている。


金子九平治氏の作品

「少女像」

(ブロンズ像、昭和43年作、金光学園所蔵)金子九平次氏最後の作品と言われている。母校である金光学園に寄贈。同作品は東京国立近代美術館も所蔵している

「萌え出づる春」

(木彫、大正11年作)パリ留学前に制作

「夢みる人」

(ブロンズ像、制作年月日不明)

作品展動画


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