title_02.jpg

HOME › 平成二十二年の新春を迎えて

平成二十二年の新春を迎えて

平成二十二年の新春を迎えて ─「神前拝詞」に思う─

 「畏しや 天つ日の輝き大地の育み 時移るとも絶ゆることなく 年巡るとも尽くることなし」とは、「神前拝詞」冒頭の一句である。お日様に象徴される天の働きと、土地・大地に象徴される地の働きは、太古以来、天地の働きとして変わることなく現し続けられているとの意であろう。そのような天地のお働きのなかで、共々に今日の命を頂き、新年を迎えさせていただいたことは、誠にありがたいことである。
 立教百五十年の大きな節を頂いての取り組みを経て、将来に向かう年の初めに、ここからの願いを新たにさせられるのであるが、それについて、あらためて「神前拝詞」の内容が、新鮮な響きをもって迫ってくる。
 「神前拝詞」は、昭和五十八年(教祖百年祭)の年頭に本教拝詞として実施されて以来、全教の信奉者によって日常のご祈念や祭典などで奉唱し続けられ、われわれにとって周知のことであるはずだが、この道の信心の大切な中身が量感をもって思われ、あえて、なじみ深い言葉をゆっくりと拝読してみるのである。
 そこでは、前記冒頭の一句に続けて、「天地に生命ありて万の物生かされ 天地に真理ありて万の事整う」とされる。そして、その「生命」と「真理」の根源である天地全体を「かくも奇しき(霊妙なる)み姿大いなるみ働き」として、われわれ信奉者は「天地金乃神と仰ぎまつりて称えまつらん」存在だと示されている。
 ここでは、「天地のことをあれやこれやと言う人がありますが、人では天地のことはわかりませぬ。天地のことが人でわかれば、潮の満ち干がとまりましょう」との教祖様のみ教えが踏まえられ、人間の知恵や力をはるかに超えた「天地」と、そこに天地金乃神様のおわします由縁が説き明かそうとされている。
 そのうえで、「わきても神は 天地の間に住む人皆を神の氏子と慈しみたもう」。天地金乃神様は、万物のなかでも特に人間を「神の氏子」と仰せられ、慈しんでくださっているのである。そうであればこそ、「人とある身は」天地金乃神様をわが「親神」とお慕い申し、その「限りなき恵みのなかに生かされて生くる」という、この道の信心に導かれて生きていくことこそ、「道理」というべきである。ところが、現実は、「かかる道を知らずして我情我欲に惑いつつ 前々の巡り合わせで 難を受け」ている人がまことに多く、そのことが親神様の深いお「嘆き」にもなっている、と。
 「前々の巡り合わせで 難を受け」とは、先に「人では天地のことはわかりませぬ」と教えられた「天地の世界」から指し示された神様のお言葉であり、その内実は人間の考えや思いを超えて「分からない」としか言いようのないものである。そのことを十分に踏まえながら、ここでは「神の氏子」と仰せられる親神様の一人ひとりの人間に対する慈しみとお嘆きのみ心が示される。これは、「天地の間に氏子おっておかげを知らず」とも、「天地金乃神と氏子の間柄のことを、金光大神、参って来る氏子に話して聞かせよ」とも仰せられる天地金乃神様の親心とのかかわりで確認されてのものであろう。
 そうして、教祖様の苦難の歩みが、「わが教祖金光大神いくそたび人の世の苦難に出で会いつつも」と捉えられ、そのなかでも「実意丁寧神信心を貫きたまい」て、「例なき神みかげ生まれ」と、教祖様が四十二歳の大患ではじめて親神様に出会われた事実が示される。続いて、「神と人とのあいよかけよの生活はじまりゆきぬ」という教祖様の新たな信心生活に言及され、その信心生活の深まりのなかに、「尊しや 親神の久しき願いここに現れ 神も助かり氏子も立ち行く 取次の神依さしを金光大神畏みて受けたまい」と。つまり、「立教神伝」をとおして天地金乃神様の親心がはじめて世に示され、それを教祖様が「神も助かり氏子も立ち行く」ための「取次の神依さし」として謹んでお受けになって、この道が始まったといわれているのである。
 以上のように見てみると、「神前拝詞」の前半では、「人では天地のことは分かりません」との立場のもと、慎重に言葉が選ばれながら、天地と万物の関係とともに、一人ひとりの人間に対する天地金乃神様の深い慈しみとお嘆きという親心が示され、そのこととのかかわりで、教祖様の歩みがたどられ、この道の起源が確認されている。
 それは、どうしてこの道が生まれたのかを端的に説き明かすものであり、その意味で、見事なお道案内にもなっている。しかも、この「神前拝詞」をもって書籍『取次に生きる』の事例に触れていくと、そこから両者が響き合う取次の実際も浮かび上がってくるのである。
 平成二十二年の新春を迎えて、今一度、「神前拝詞」につづられた天地のこと、および天地金乃神様の親心、そして、この道の起源に思いをいたし、また、それに続いてつづられた内容も頂き直して、共々にここからの願いを新たにしてまいりたい。

メディア 文字 

投稿日時:2010/01/04 10:25:11.987 GMT+9



このページの先頭へ