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子孫に伝わる信心の姿【金光新聞】

教会の生神様

 「先の世まで持ってゆかれ、子孫までも残るものは神徳である。神徳は、信心すればだれでも受けることができる。神徳は尽きることがない」。これは、金光教の教祖様のみ教えです。【金光新聞】
 私(48)は、このみ教えの意味を、今、あらためて頂き直しています。
それは、私が奉仕する教会の、二人の信奉者の信心姿勢に触れたからです。
 今年、百歳になったさとみさんは、戦後すぐに信心を始め、これまでに四代にわたる教会長のもと、教会の役員も歴任しました。
 百歳の誕生日を数日後に控えた今年の3月、さとみさんは、息子さん、お孫さんと3人で教会に参拝してきました。その時の姿に、私は深い感銘を受けました。
 車の乗降には介助を必要とするものの、その後は、つえをついてしっかりと歩き、二階のお広前まで、誰の手も借りずに階段を上ってこられました。しかも、つえが使えない階段では、はいつくばりながら、一段一段ゆっくりと、普通であれば、1分で来られるところを、10分以上かけて参拝されました。

 翌月には、教会でお祝い会を開きました。この席で、さとみさんは私に、「先生、私は一体いくつまで生きたらいいでしょうか」と尋ねました。
 私はすぐさま、「親神様のもとへ行かれるおかげをこうむるまで、命のおかげを使い尽くされるまで、いつまでも、どうぞお元気でいてください。さとみさんが元気なお顔を見せてくれるだけで、教会のみんなが助けられ、信心の力を頂けるんです。まさに、教会の生神様ですからね」と応えました。
 「ホーッホッホッ」。さとみさんの喜びの声がお広前に響きました。私には、その姿をもって神様のおかげを見せてもらえたように感じられました。

この道の信心に生きる

 もう一人は、昌広さん(83)です。信徒総代を長年勤められた昌広さんは、4月の月例祭当日の早朝、お国替えされました。そのご葬儀を仕えるため、昌広さんのお二人の娘さんと初めてお会いした時のことです。娘さんは開口一番、私にこう、お礼の言葉を言われたのです。
 「このお道の信心ってすごいんですね。父は、前日の昼ごろまで、肺炎からくる痛みに、少し苦しがっていましたが、午後になって冗談ばかり言って、私たち家族の心を和ませてくれるのです。『待たせるね』とも言っていました。早く亡くなれば、家族に迷惑をかけずに済むということでしょう。そう言いながら、私や妹の手を握って、手の甲をさすってくれるのです。
 その日の深夜からは、天井に向けて両手を合わせ、お祈りをしていました。声は聞こえませんでしたが、間違いなく、お祈りをしていました。早朝、手を合わせたまま、眠るように亡くなりました。本当にありがとうございました」

 昌広さんは、私や家族にも、よくそうしてくれました。私が教会内外のご用で、さらに力を尽くさなければならない時に、「先生、頑張ってくださいね」と、励ましの言葉を添えて、いつも手の甲をさすってくれたのです。その温かな励ましと祈りに、私はどれほど勇気づけられてきたことでしょう。
 その人の生き方の中に、そして亡くなっていかれる中で、それぞれにこの道の信心に生きる人の姿と、そこに宿った神徳を見せて頂きました。
メディア 文字 

投稿日時:2010/07/26 15:58:08.727 GMT+9



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