本教は、明治33（1900）年に一教独立を果たしました。教団独立記念祭は、この独立に込められた直信先覚先師のみ思いとお働きに御礼を申し上げるとともに、先人たちの道を思う情念を今日に頂き直し、ここからのお道のいっそうの発展を祈願させていただく祭典です。

教祖様は、安政６（1859）年、「世間になんぼうも難儀な氏子あり、取次ぎ助けてやってくれ」との天地金乃神様のお頼みを受けられて取次に専念され、参拝者一人ひとりに、天地の親神様のみ思いに添った信心を進めることの大切さを説かれました。その教えを受けた人々の中には、教祖様に習い、取次に従う人も生まれ、各地にお広前ができ、お道が広く伝えられていくこととなりました。

しかし、明治期に入って、国家の宗教政策は大きく転換し、天地金乃神様の名前を出して布教することが難しい状況となりました。そうした中にあって、天地金乃神様は教祖様に天地書附をお示しくださり、いつでも、どこでも、和らぎ賀ぶ心になって一心に願うことの大切さを人々に伝えるよう、願われたのでした。中には記紀神話に登場する神名を使用して布教認可を得るようにと勧める人もいましたが、教祖様は、「此方の神は違う」との厳然たる態度を貫かれました。

人間への限りない慈しみを示される神様の確かさと、世俗の価値にとらわれない教祖様の信心の内容が研ぎ澄まされていく一方で、教祖様をはじめ直信たちのお広前を取り巻く状況は決して予断を許さないものでした。そこで直信たちは、このお道を後世まで正しく伝え、後の人々が安心して信心生活を進められることを熱願されました。

そして、教祖様ご帰幽２年後の明治18（1885）年に神道金光教会を設立し、神道事務局（後の神道本局）傘下の教会として布教の公認を得て教勢を拡大していきました。しかし教義や祭神は依然として神道本局の強い影響下にあり、教祖様の教えをそのまま説くことはできませんでした。

そこで独立した宗教団体として、社会的にも存在が認められるよう教義や施設の整備、人材育成の取り組みなど、教団としての内容、体裁を整え、ついに明治33年６月16日、一教独立の認可を得て「金光教」が誕生したのです。

教団独立が果たせたのも、わが道の信心が何ものにも侵されることなく、その布教が何ものにも妨げられることなく、人の助かる働きが世界・人類に開かれることをひたすら願われた先人たちのご尽力のたまものです。その先人の願いとその願いに応えてくださった神様のお働きのおかげで、今日を生きる私たちが信心生活を送らせていただいているのです。

教団独立記念祭をお迎えするに当たり、親神様が私たちにかけてくださっているみ思いとお働きにお礼を申し上げるとともに、生神金光大神取次を具現された教祖様、歴代金光様、さらに教団独立に尽力された先人たちに心から御礼を申し上げたいと存じます。そして、教主金光様の御取次のもと、それぞれが「神人の道」を現していけるよう、信心の稽古をさせていただきたいと思います。

祭典では、教師の褒賞ならびに新任の儀が行われます。多年にわたり、この道の上に功労があった78人の方が褒賞を受けられ、新たに24人の方が教師としてお取り立ていただかれます。ここからさらに、「神と人とあいよかけよで立ち行くあり方を世界に顕現する」との御神願成就のお役に立たせていただきたいと願うものであります。

６月９日

○ 受褒者及び新任教師紹介（午後一時十 分ごろから）
○ 祭典（午後一時半から）
　先　祭員着席
　次　開帳
　次　拝礼
　次　神前拝詞奉唱
　次　取次唱詞奉唱
　次　祭主祭詞奏上
　次　祭主玉串奉奠
　次　天地書附奉体
　次　参拝者総代玉串奉奠
　次　褒賞
　次　教師新任
　次　教務総長挨拶
　次　神徳賛詞奉唱
　次　拝礼
　次　祭員退下

※なお、例年は祭典後に全教集会を行っておりましたが、このたびは行われません。

定期列車金光駅時刻表

団体列車金光駅時刻表

本部略図