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お任せし、させて頂く【金光新聞】

虫垂炎の手遅れで腹膜炎

 「どうしよう、どうしよう」。私(当時38)の頭の中は焦りと心配ばかりでした。それは、今から8年前、教会の設立八十年の記念大祭と前教会長の三年の報徳祭を2週間後に控えた日のことでした。
 この記念の祭典は、私が教会長として初めて仕えるものでした。それだけに、私はいつも以上に願いを掛けて、その準備に当たっていました。
 その一方で、一週間ほど前から腹痛を覚え、病院で血液検査をしましたが、この時は異常は見つかりませんでした。
 しかし、その後も痛みは治まらず、数日後に2度目の血液検査を受けました。その結果が出る日、いよいよ痛みが激しくなり、私に代わって妻が検査結果を聞きに病院を訪れました。
 「虫垂炎と思われるので、すぐ市民病院に行くように」と言われ、私と妻はさっそく教会から近距離にある市民病院に歩いて向かいました。その間にも断続的な痛みに襲われ、途中、何度かうずくまって痛みをこらえながら、どうにか病院までたどり着きました。

 診察結果は、虫垂炎の手遅れで腹膜炎を起こしているとのことでした。
 「これから十日ほどは忙しいので、何とかなりませんか」と医師に言うと、「あと一日も放っておいたら、盲腸が破裂して死んでしまうかもしれんよ。午後一番に手術します」とのこと。入院も二週間以上になるということでした。
 「私不在で記念大祭を仕えるべきか、日にちを遅らせるか。どうしよう…」。答えを出せないまま、血液検査など手術前の準備は進み、いよいよ半身麻酔で手術が始まりました。小さい時にヘルニアの手術を受けていたせいか、腸に癒着があったり、盲腸が普通の位置に無かったりで手術に手間取り、再度、全身麻酔をかけたりと、大変な手術となりました。

心が助かる

 その翌日は、大祭に向けての大掃除でした。掃除を終えて病院に来た妻とどうするか相談しましたが、答えが出せませんでした。と同時に、神様から「お前に大祭を仕えてほしくない」と言われている気がして、物事を前向きに考えることができなくなっていました。
 結局、祭典日を変更することにしましたが、神様から「お前は必要ない」と言われたように思え、心は落ち込んだままでした。そんな中、近隣の教会の先生がわざわざお見舞いに来てくださいました。
 その先生は私の顔を見るなり、開口一番、「先生、よかったなあ。神様に命を頂いて」と言われたのです。私が苦しい心の内を話したところ、「神様は記念大祭より先生の体が大事じゃから、大祭に差し支えてでも先生を助けてくれたんじゃろう。大祭は日を変えるお繰り合わせを頂けば済むが、命は代えられんからなあ」と、満面の笑みでおっしゃいました。
 その言葉に、それまでの苦しい気持ちが瞬く間に解けていくのを感じました。心が助かるとは、こういうことなんだと実感した瞬間でした。

 一生懸命のあまり、自分でしなければという思いが強くなり、自分を苦しめていたことに気付かせられ、あらためて、神様にすべてをお任せして、させて頂こうという気持ちになりました。
 それからは、焦ることも自分を責めることもなく、十日ほどの入院生活を送りました。そして、1カ月遅れで記念祭をありがたく仕えさせて頂くことができました。
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投稿日時:2010/08/31 11:15:49.825 GMT+9



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