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立教記念祭をお迎えして─「神人の道」を求めて ─

金光教報 天地 11月号巻頭言

 今年も、立教の日に当たる11月15日に、教主金光様ご祭主のもと、本部広前会堂で立教記念祭が仕えられる。
 昨年は、教主金光様が「神人の道」というお言葉をお示しくださり、立教百五十年以降の指針として頂いている。
 教祖様は、「しんじんとは、信の心ではないぞよ。此方は、しんじんは神人と書くぞよ。そこでのう、不神人(ぶしんじん)とは言うなよ。不神人と言えば、神も怠り人も怠るということになるからのう。神に通らぬと言えばよい」と教えられている。
 「不神人」といえば、「神人」の前に否定の「不」をつけて、神様と人との双方の「否」や「怠り」を問題にすることになる。けれども、天地金乃神様は、天地のお働きとして生きどおしであり、しかも、すべての人間を「神の氏子」と仰せられ、一人ひとりのいのちと生活に付き添ってお働きを現し続けてくださっている。そのような神様に「怠り」はないのであって、「不神人」と言っては、神様に対して相済まないということであろう。
 また、人の「怠り」ということでは、それが難や難儀につながっていくことでもあり、同時に、人として糺(ただ)されるべきことではある。しかし、神様からご覧になれば、そうした欠点や「怠り」のない人間など一人もいないはずである。むしろ、天地金乃神様は、一人ひとりの人間の姿を充分にご承知のうえで、「人間がおかげを受けないで苦しんでいるようでは、神の役目が立たない。人間が立ち行かなければ神も金光大神も立ち行かない」とまで仰せられ、その働きを現し続けてくださっているのである。
 ところが、私たち人間は、そのような天地金乃神様のお働きやみ心も知らず、難を受けた人や、おかげが頂けない人に対して、「不信心者」と言って人間の側から一方的に当人の「怠り」を問題にし、却ってその人の「助かり」を閉ざしてしまうところがある。それでは神様に対して申し訳ないのであって、そういう場合、「神に通らぬ」と言えばよい。そう言えば、人は、神様に通る信心、神様にお喜びいただける「神人の道」を求めていくことになり、それによって、本当の「助かり」が開かれてくるということではなかろうか。
 「此方は、しんじんは神人と書くぞよ」との教祖様のみ教えには、以上のような神様、教祖様のみ心が込められていたのではないかと思われる。

 ある教師研修会で、「教会長は、信者さんが病気をした場合に、その信者さんを見舞いに行くべきか、行ってはいけないのか」という問いが投げかけられた。この時の講師が自分の師匠であり、その師匠の日頃のご用の姿を見てきたある先師は、師匠であれば「行くべきではない」とおっしゃるはずだと思い、その立場から議論に加わった。
 そうして一通りの賛否両論の意見が出された頃、司会が「講師はどう思われますか」と尋ねた。講師は、「私は、きょうまで信者さんの見舞いにも何回か行ったことがある。それをほかの信者さんが見て、あるいは聞いて、親先生はあの人の見舞いには当然行くべきだ、行くのが当たり前だというように、みんなが思ってくれる。だから一向に問題にならない。それで私は、行くとか行かないとかいうことを決めておらずに、その時その時で神様にお願いしながら対処していきます」と話された。司会は、「今、講師がおっしゃったように、こうすべきだとか、ああすべきだとか決めてかからない、それが金光大神の信心である」と締めくくった。
 この先師は、「それをお聞きした時に、私はもう頭を打たれた気がしました。…私の見方というのはまったく間違っていたなあ、先生の本当のことを知っていなかったなあと、しみじみ恥ずかしく思ったものです」と振り返られている。

 要するに、「こうすべきだ、ああすべきだ」と決めてかかろうとするところに人間の側の落とし穴がある。というのも、私たち人間は、その決められた立場から、人や出来事を問題にすることが多く、それでは神様に通らない信心となってしまう。そうではなくて、「その時その時で神様にお願いしながら対処していく」。すなわち、これは神様からご覧になってどうなのか、この場合、どうすれば神様のみ心に添えるのか、と絶えず新たなこととして問題にし求めていく。その稽古の積み重ねが、神と人とあいよかけよで立ち行く「神人の道」を現すことになる。この事例は、日常の一こまにも、そのことの大切さを確認させられるものであろう。
 「神人の道」は、教主金光様が、教祖様のご信心を今日に頂き直されたお言葉である。あらためてそのことに思いをいたし、共々に生活のなかに「神人の道」を求め現してまいりたい。

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投稿日時:2010/11/09 10:57:05.915 GMT+9



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