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平和に向かう

金光教報 『天地』 7月号巻頭言

 金光教報『天地』6月号でも告知したとおり、今年も各地で平和を祈願する集会が開催される。
 今年は、いずれの集会でも、東日本大震災で被災された方々の慰霊や復興祈願・支援を願いに込めている。東京平和集会(7月17日)は「東日本大震災復興支援集会」とし、広島平和集会(7月30日)は「東日本大震災の犠牲となられた方々の鎮魂と、被災地域の一日も早い復興」を開催の願いとし、「山口平和の祈り」集会(7月17日)は「世界真の平和を祈る─東日本大震災に苦しむ多くの方たちに平和と復興がもたらされることを祈って─」をテーマに、北九州教区平和集会(8月28日)は「東日本大震災で亡くなられた方々のみたま様としてのお道立て、また、被災された方々の今後の立ち行きと被災地の一日も早い復興」を願って開催される。また、この時期、多くの教会広前で、平和に向かう祭典や行事が営まれるであろう。東日本大震災の慰霊や復興に祈りを込めるところも多いのではないか。
 平和に向かう取り組みは、天地金乃神様のご神願である「神と人とあいよかけよで立ち行くあり方を世界に顕現する」ことを願って営まれることは言うまでもなく、教主金光様の「教団を挙げて世界の平和と人類の助かりに役立たせていただきたい」と仰せになるみ心を頂いてのことである。さらには、教団の基本方針で願われている「世界・人類の助かり」に向かうことへの具体的実践とも言うことができる。東日本大震災の慰霊・復興に向けての取り組みは、天地金乃神様のご神願と金光様のみ心を頂いての実践なのである。
 去る6月12日に仕えられた教主就任式で、教主金光様は、「全教の皆様と共に、教祖様ご立教のおぼしめしを体し、神と人とあいよかけよで立ち行く『神人の道』が一人ひとりの生活に現されてまいり、世界の平和と人類の助かりのお役に立たせていただきますよう、ここからのおかげをこうむってまいりたいと存じます。わけて、このたびの東日本大震災により亡くなられた方々のみたまのお道立てと、被災者の方々のここからの立ち行きを、切に祈らせていただきたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします」と仰せになった。このお言葉を、私たち信奉者は心に刻み、平和に向かう取り組みも、このみ心を深く頂いて鋭意進めたい。
 本教は、教祖金光大神様以来、歴代金光様のお取次を頂いての百五十年余の歴史のなかで、多くの社会変革を経験してきた。未曾有といわれる出来事が起きた時も、人類初の経験をした時も、その時々に「天下太平、諸国成就祈念、総氏子身上安全」の幟(のぼり)を染め立て、日々ご祈念された金光大神様に神習い、世界真の平和達成の祈願に心を込めて取り組んできた。今、さまざまな意味で社会が変革されようとする時、あらためて先人が歩まれた道に思いをいたし、人が人を助ける時代を開いていく気概で、日々の生活を送っていくことが大切である。
 私たち道の信奉者は、平和ならざる状況に直面した時、まず力強い祈りをもって天地金乃神様に向かう。そして、生神金光大神様のお取次を仰ぎながら、神様 金光様のみ心を体して、今月今日、ご神願成就への道を歩ませていただく。とくに、人間が人間らしく生きられない状況にあっては、その状況が一刻も早く解消されることを願って、人と人がお互いに助け合う世界を生みだしていくことに取り組む。各地で営まれる平和に向かう取り組みは、それぞれに独自の歴史を有しているが、全教が心一つに、よりいっそう祈りを強くし、ご神願がご成就に相成るよう、平和に向かって前向きに取り組んでまいりたい。
 平和に向かう取り組みは、息長く続けられていくことが求められる。教祖金光大神様のご信心に発する、わが道の歩みそのものがその取り組みであったし、時代や社会の変革に伴って営まれてきた各種の活動も、お道の信奉者一人ひとりの信心に支えられた、わが道ならではの平和に向かう取り組みであった。今、人間一人ひとりの生き方が問われているこの時にあって、天地金乃神様のみ教えどおりに生きて、「神も助かり、氏子も立ち行く」、神人あいよかけよの社会を生みだしていくことは、私たち信奉者に願われる生き方である。
 平和を祈願する各集会や、各地のお広前で行われる平和に向かう祭典・行事が、それぞれの願いのままに成就し、一歩また一歩と、神様 金光様の願われる世の実現に近づいていくよう、手を携えて平和への道を歩んでいきたい。

メディア 文字 天地 

投稿日時:2011/07/21 10:38:39.044 GMT+9



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