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わが心次第でおかげに 【金光新聞】

どうしてこんな目に

 隆さん(32)は4年前、熱心に信心をしている女性との結婚をきっかけに、金光教を知りました。それからは、二人連れ立って教会に参拝するようになっていました。
 そんなある日のこと、隆さん夫婦が参拝してきましたが、その日はいつもと様子が違っていました。
 隆さんは、お結界に来ると、切羽詰まった表情で次のように話し始めました。
 「昨夜、仕事が終わってから、近々結婚する友人の二次会の打ち合わせのため、近くのレストランへ行きました。そこで2時間ほど打ち合わせをした後、店を出て駐車場に戻ると、止めていた車のドアがほんの少し開いていたんです。悪い予感がして車内を見ると、置いておいたかばんが無くなっていたんです。中には大事な書類が入っているんです」

 隆さんは、その書類には個人情報が含まれていることから、一刻も早くかばんが見つかるよう神様にお願いしてほしいと懇願しました。さらに、 「仕事もつらいことばかりだけれど、我慢して頑張っているんです。何も悪いことをしていない私が、どうしてこんな目に遭わなければならないのですか。取っていった人が許せない」と、腹の虫が治まらない様子でした。
 私は、隆さんと一緒にご神前でご祈念をさせて頂きました。そうして、隆さんの立ち行きをお願いさせてもらっていた時、心に響いてくるものを感じ、隆さんが明るい表情でお広前に入ってくる光景がまぶたに浮かんできたのです。
 「おかげを頂ける」 。そう確信した私は、お結界に座り直すと、心に思うところを話させてもらいました。

神様のお働きを実感する体験

 今回のことでは本当にお困りのことでしょう。けれどもあなた自身に何も悪いところはなかったのでしょうか。大事なかばんを外から見える場所に置いたのも、車の鍵を掛け忘れたのも隆さん自身なのですから、取った人は悪いに違いありませんが、罪を作らせてしまったあなたにも非があると思いませんか」
 少しきついようにも思いましたが、そう話すと、相手を責める気持ちでいっぱいだった隆さんの表情が、だんだんと落ち着いてきました。
 私は続けて、 「つらいことばかりの仕事かもしれませんが、その仕事のおかげで家族が生活できています。健康で働けることに、まず感謝してみませんか。その上でお願いすれば、きっと神様が見つけてくださいますよ」と話しました。
 その3日後、隆さんが再び参拝してきました。そこには、あのときご神前で思い浮かんだ光景と同じように、満面の笑みがありました。 「先生!警察から、かばんが見つかったと連絡がありました。お店から3キロほど離れた水路に捨てられていて、散歩していた方が見つけてくださったようです。何一つ取られた物はなく、しかも書類はぬれずに無事でした。本当にありがとうございました」
 
 私は、ご神前で一緒にお礼のご祈念をさせて頂きました。その上で、金光教と出合って間もない隆さんが、お結界でお取次を願い、「おかげを受けられるか受けられないかは、わが心にある。わが心さえ改めれば、いくらでもおかげは受けられる」という教祖様のみ教えに習うことで、神様のお働きを実感する体験をさせてくださったことを、ありがたく思ったのでした。




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メディア 金光新聞 信心真話 

投稿日時:2012/05/14 15:03:32.406 GMT+9



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