title.jpg

HOME › 【なんきゅう支援隊】移動図書館開設―熊本地震の仮設住宅で

【なんきゅう支援隊】移動図書館開設―熊本地震の仮設住宅で

利用者の立ち行き祈り活動

 南九州教区では、平成28年熊本地震の復興支援活動を進めるため、「なんきゅう支援隊」を立ち上げた。その最初の取り組みとして移動図書館を開設。被災者と密に関わり、心に寄り添う活動を目指す。

 なんきゅう支援隊(隊長/梅原和生先生〈熊本県教会連合会長〉)は、熊本地震被災者への支援活動を展開していくため、昨年11月に南九州教区管内の5教会連合会(熊本県、大分県南部、大分県北部、宮崎県、鹿児島地方)で組織し、事務局を南九州教務センター(熊本市中央区)に設置した。
 地震発生から半年が過ぎた当時、被害の大きかった熊本県益城町では、避難所が徐々に閉鎖され、被災者は仮設住宅に入居するなど、緊急対応から復旧・復興期に移行しつつあり、支援隊では次の段階の支援方途を模索していた。
 そんな中、支援隊スタッフが仮設住宅の入居者に話を聞くと、多くのお年寄りが「手持ち無沙汰」と答えたという。
 実際に、子どもや若者が学校や仕事で徐々に日常を取り戻しつつある一方、お年寄りは、被害を受けた自宅に入ることもできず、日中、仮設住宅に引きこもる人が見受けられた。

 支援隊では、何とかこの声に応えたいと思慮を巡らせ、過去の災害時などで、教内各団体がどのような活動を行ってきたかを調べたところ、金光図書館の存在が目に留まった。
 「初代館長の四代金光様は、戦時下の昭和18年に、『この戦争は勝っても負けても、日本の国は荒野の原になるだろう。そのとき必要なのは文化の殿堂…図書館』と思い立たれ、戦後の混乱期から『世の人々のお役に立つ』ことを理念に金光図書館を創設された。戦時下とは、時代も社会状況も違うが、人々が抱える悩みや苦しみ、先行きの見えない不安などは共通していると感じ、すぐに移動図書館活動を企画した」と、スタッフの橋本信一先生(熊本県肥後浜町教会)は振り返る。

 金光図書館や多くの協力者から図書の提供を受け、名称を「移動図書館おあしす」として、平成28年11月11日から活動をスタートした。
 220世帯約570人が入居する益城町木山仮設団地で原則毎週金曜日の午前10時から午後3時まで開設する。ほろの付いた軽トラックの荷台には、料理や編み物の実用本から、週刊誌や小説、絵本まで、多様な本が並ぶ。
 回を重ねるごとに利用者が増え、現在は毎回、50人ほどの利用があるという。
 今年1回目は1月6日に行われ、開設時刻になると利用者が続々と集まり、「新刊ある?」「この前に借りた鍋料理の本、面白かった」など、本を選びながらスタッフとの会話も弾む。

 同支援隊の梅原隊長は「だんだんと活動が認知されてきたようで、本を借りるついでに休憩スペースでお茶を飲みながらスタッフに身の上話をされる方もいる。スタッフ皆、しっかりと話を聞かせてもらい、貸し出し名簿に記名されている一人一人の立ち行きをご祈念させてもらっている」と話している。
 支援隊では、765冊の図書を所蔵(1月18日時点)しているが、一層の内容充実に向け、全教に図書寄贈の協力を呼び掛けている。

図書寄贈のお願い

 熊本地震で被災された方々に読んで頂く本です。元気や勇気、前向きに生きる力が湧き出てくるような本、心が落ち着き、ほっこりする本など、あなたの真心の一冊を提供してください。また、手紙やカードなどで一言メッセージを添えて頂けるとありがたいです。
 個人はもちろん、教会や教会連合会で取りまとめて頂いても結構です。

●本の種類
 特に問いませんが、あなたが読んで感動した本をお願いします。
●寄贈方法
 郵送または宅配便などで下記住所まで(送料はご負担ください)。
 直接持参される場合は、事前に南九州教務センターまでご一報ください。
●その他
・ご提供頂いた本は原則、返却致しません。
・本は新品でなくても構いません。
・活動の様子をfacebookで発信しています。→移動図書館おあしすのfacebookページを見る
・今後、毎月1回、 金光新聞紙面で蔵書数をお知らせする「おあしすメーター」を掲載する予定。皆様の祈りを「見える化」します。
●送付先
 金光教南九州教務センター内 移動図書館おあしす
 〒860-0812 熊本県熊本市中央区南熊本五丁目8番14号
 TEL 096-371-6250
 FAX 096-371-6262

(金光新聞2017年2月19日号掲載)
メディア 文字 平成28年熊本地震 

投稿日時:2017/02/21 14:23:04 GMT+9



このページの先頭へ