title.jpg

HOME › ずっと神様に守られて【金光新聞】

ずっと神様に守られて【金光新聞】

おかげを頂きたい

 山形さん(68)は、妻の明子さんが10年前にくも膜下出血で倒れた際、後遺症もなく回復するおかげを頂いた話を、教会で体験発表することになっていました。
 その前日、明子さんが回復して以来、年に1度受けている脳の検診がありました。山形さんは最近、物忘れや話の聞き違いをよくするようになっていたので、軽い気持ちで一緒に検査を受けることにしました。
 検査が終わると医師から説明があり、明子さんの方は「はい結構です」と簡単に済んだのですが、山形さんの検査結果を見た医師は、「ちょっと心配な部分があるので、再検査をしましょう」と言います。そして、「今までに何か大きな病気をしたことはありますか」と、尋ねられました。
 
 山形さんは、入院するような大病にかかったことはほとんどありませんでした。しかし、5歳の時に父が自宅を建築していたさなか、祖父に連れられ、興味津々で現場をあちこち見ていて、囲いが無かった2階から誤って落ちたことがあったのです。頭を強打して数日間意識を失い、その後もひどい頭痛がしばらく続きました。山形さんが「頭に何かあるとしたら、その時のものかも」と心当たりを話すと、医師は「そうであればよいのですが。追加の検査はあさってに」と言いました。
 翌日は体験発表の日です。山形さんは、10年前に明子さんが頂いたおかげのことだけを話すつもりでしたが、「実は昨日、医者から脳に心配な部分があると言われ、明日、あらためて検査することになっている。夕べなかなか寝付けなかった」と、内心びくびくした思いで、ありのままを話しました。そうするうちに、心に「神様が助けてくださる」という確信が生まれ、ぜひともおかげを頂きたいという強い思いになれました。

お守りいただいて

 その翌日、再検査で、頭蓋骨に長さ3センチほどの陥没があることが分かりましたが、それはやはり5歳の時の傷痕で、手当ての必要もないし、生活も今まで通りで大丈夫だということでした。しかも、そのけがが、もう少し成長した後のものだったら、後遺症でとても今のようには生活はできていなかっただろうという話でした。山形さんは、すぐ教会へ電話でお届けし、病院からの帰りにお礼の参拝をしました。
 山形さんは、お結界で先生と話しているうちにいろいろと思い出しました。建築中の2階から落ちた際、すぐそばには鋭利なブリキの筒が立っていたり、庭の飛石などがありました。ですが、山形さんは、それらを避けるように何も置かれていない柔らかい土の上に落ちたのです。30センチ横にずれていたら、ブリキで首や手が切り落とされていたかもしれない…」。また、その時一緒にいた祖父は一生懸命、神様に祈ってくれていたと後々聞きました。

 山形さんは、親先祖がお道にご縁を頂き、信心してくれたおかげで、そして教会の先生が常日頃ご祈念くださっているおかげで、今日この年まで無事に生活させて頂いたと、本当にありがたくなりました。
 その上、不思議なのは、今回の出来事が、皆の前で明子さんを助けて頂いた話をさせてもらおうと思っていた前日に起きたことです。体験発表のご用を通して、60年以上も前から、ずっと神様に守ってもらい、おかげを受けてきていることを、あらためて分からせて頂き、神様のありがたさに感じ入りました。

※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています

(「心に届く信心真話」2018年3月4日号掲載)
メディア 文字 

投稿日時:2019/05/30 09:31:15.408 GMT+9



このページの先頭へ