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同僚を祈り職場に変化【金光新聞】

ノルマに苦しんでいるときに

 私(52)は高校卒業後、銀行に就職し、市内にある支店に配属されました。アットホームな職場で、優しいおじいさんのような支店長と、丁寧に教えてくださる先輩たちに囲まれ、充実した毎日でした。
 しかし、就職して2年目、優しかった支店長が定年退職となり、本店営業部から新任の若い支店長がやってきました。
 初めて支店を任されたというその支店長は、前任者とは打って変わって厳しい営業方針を打ち出し、私のような内勤の行員の業務内容も大きく変わりました。午後3時の閉店後、出納の照合作業が終わると、店舗の周辺を回り、新しい顧客の獲得に努めるよう命じられ、夏のボーナス時期にも、預金獲得のノルマが課せられました。もちろん、来店客にもセールスしなければなりません。2年目の私には荷が重いことばかりです。

 その頃、参拝していた教会の先生は、いつも「神様に一心に願えば、どんなことでもかなえてくださる」とおっしゃっていました。私は、教会に参拝してお結界へ進み、「神様に一心に願えば本当に願いはかないますか」と尋ねてみました。すると先生は、「はい」と答えられたので、私は先生にノルマ達成のお願いをし、その日は帰りました。
 それからというもの、私は神様に一生懸命お願いするようになりました。すると、安心し、勇気が湧いて、親族やその勤め先、高校時代の先生や友達、 ご近所の方にまで声を掛けることができ、以前よりも預金を集めることができたのです。
 ある日、教会へお礼参拝をさせて頂いた時のこと。先生に呼び止められたのでお結界に進むと、「お勤めができるのは会社があるからです。逆に社員がいるから会社も成り立つのです。まず元気に仕事ができること、勤める場所があることにお礼を申しましょう。それからあなた自身が元気に仕事ができるよう、支店長は支店長の仕事ができるように、さらに支店の皆さんのこともお願いさせてもらいましょう」と話してくださいました。

周囲のことも祈る

 それ以来、私は個人のお願いだけではなく、周囲の人たちのこともお願いするようになりましたが、そうした中で私の行動にある変化が生まれました。
 みんなが気持ち良く仕事に取り掛かれるようにと思い、少し早めに出社し、トイレ掃除やお茶の用意に取り組むようになりました。すると、心なしか支店の雰囲気も少しずつ明るくなってきて、ボーナスシーズンの営業をみんなで頑張ろうという、前向きな雰囲気が生まれてきました。
 最初は厳しい印象しかなかった支店長も、行員それぞれの頑張りをしっかり評価してくれ、ねぎらいの言葉を掛けてくださったりと、優しい面があることにも気付きました。そして、一人一人の頑張りのおかげで全員がノルマを達成することができたのです。

 あの時、先生に呼び止められ、お話しくださった内容は、今考えると「あいよかけよの頼み合い」ということを教えて頂いたのだと思っています。初めは自分のことだけをお願いしていた私が、お取次を頂いていく中で、職場全体のことまでも願えるようにならせて頂きました。
 このことは、私に掛けられた神様の願いを考えるきっかけにもなりました。神様に願っていくことで自分の取り組みが変わり、周りも変わっていく。それが「繁盛」につながっていくことに気付いた体験でした。

※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています。

(「心に届く信心真話」2018年7月1日号掲載)
メディア 金光新聞 信心真話 

投稿日時:2019/08/11 09:00:52.433 GMT+9



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