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実意で願い神みかげを【金光新聞】

一匹のハチ


 『金光教教典』の中には、生き物にかかわるエピソードを引いた、次のようなみ教えがあります。【金光新聞】

 「苗代にヒキガエルが入って、卵を産んで困ります」と願い出た参拝者に教祖様は、「カエルに、あぜで遊んでもらうようにすればよい。うちの田に入らないようにすれば、よその田に入るから」と教えられた、というものです。

 また、夏のお広前に山アリが何匹となく、ご神前の方へはっていくのを見た参拝者が、お供え物についてはいけないと思って、「金光様、アリがたくさんにまいります」と知らせたところ、教祖様は「はい、アリも参詣致します。参詣するとおかげを頂きます」と言われただけで見向きもされず、ご理解を続けられたという伝えも収められています。

 そうした教えを初めて目にした私(当時27歳)は、「そんなことが本当にあったのだろうか」と、半信半疑でした。カエルにあぜで遊んでもらうとか、アリもお参りするという、どこかおとぎ話のような語り口に教祖様の人柄を感じながら、このようなお取次は、神徳のある教祖様だからこそできるのであって、自分には到底、でき得ないことだと思ったのです。

 それから半年後のこと、私のそうした思いを大きく変える一つの体験を、お広前でさせて頂いたのです。

 その日、教会では月例祭が仕えられていました。祭典が始まって程なくして、それまで静かだったお広前がなにやらざわつき出したのです。原因は、お広前に入ってきた一匹のハチでした。

 参拝者の頭上を、羽音を響かせながらわが物顔で飛び回るハチに、刺されるのではないかという参拝者の動揺が広がっていきました。私は内心、ハチの一匹ぐらいで、と思うと同時に、先の教典の内容が心に浮かんできたのです。

何事にも実意をもって願う

 私はとっさに心の中で、「神様、どうかハチもお参りをして、おかげを受けますように、参拝者に悪さをしませんように」と、祈らせて頂きました。すると、それまでブンブンと大きな羽音を立ててお広前を飛び回っていたハチが、ご神前に飛んで来て、三宝のへりに止まったのです。

 ちょうど、私が祭詞を奏上しようとしていた矢先のことで、ハチは私の目と鼻の先でじっとしていました。そしてその姿は、まるでハチが神様を拝んでいるように、私には見えたのです。

 この時、「教祖様のあのみ教えは、本当だったんだ。ハチもおかげを頂けるんだ」という、何ともいえない、ありがたい気持ちがにじみ出るように、じわりと心にわき上がってきました。

 その後、ハチは飛び回ることなく、私が祭典後の教話を終えて再びご神前で拝礼した時には、いなくなっていました。

 この体験から、教祖様は「人はもちろんのこと、動物や草木に至るまで、この天地の中に生かされているものはすべて、祈られることによって神様のおかげを受けられる存在である」という真理を説かれ、自らも神様に祈っていかれたのだと、強く思わせられたのでした。

 人間の側で願い事を制限するのではなく、何事にも実意をもって願うことで、神様のおかげを受けられるのが、教祖様のご信心の世界です。

 私の、ささやかなこの体験を通して得た気付きは、その後のご用の上で、大切なものの一つとなりました。

※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています。

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メディア 文字 信心真話 金光新聞 

投稿日時:2008/12/18 09:09:49.223 GMT+9



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