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命救った家族のきずな【金光新聞】

見事な連携プレー

 「おばあちゃん、しっかりして!」。昨年12月、多田美代子さん(83)は、自宅のトイレで倒れているところを、同居する長男・修一さん(61)のお嫁さんに発見されました。

 夕食後、トイレに入った美代子さんでしたが、なかなか戻ってこないので様子を見に行くと、うずくまるように倒れ込んでいたのです。

 お嫁さんは介護の仕事に就いていたことから、素早く応急処置を施しながら、美代子さんの容体が一刻を争うものだと判断し、「救急車を呼ぶよりも、最寄りの病院へ直接連れていった方がいい」と決断しました。

 しかし、修一さんはすでに晩酌をしていたため、近所に住む息子に連絡して車を出してもらって病院に搬送し、美代子さんは一命を取り留めたのです。

 診断の結果は、心筋梗塞(こうそく)でした。当直の医師が心臓の専門医であったことも幸いしましたが、共働きの修一さん夫婦が自宅にいる夕食時に倒れたことや、発見から搬送までの見事な連携プレーがあったからこそ、美代子さんの命を救うことができたのでした。

 その後、健康を取り戻した美代子さんは、当時を振り返り、修一さん夫婦や孫に感謝するとともに、神様と亡夫のみたま様に守ってもらったことを実感し、ありがたく思いました。

神様 みたま様に感謝の祈り

 今年は、美代子さんのご主人が亡くなって16年になります。亡くなったその日のことは、美代子さんの記憶にはっきりと焼き付いています。

 ご主人は体が弱く、通院時には美代子さんが必ず付き添うようにしていました。ところが、その日はご主人から、「今日は一人で行ける」と言われ、付き添わなかったのです。この後、ご主人はバス停で倒れ、そのまま帰らぬ人となりました。

 突然の別れに、美代子さんはしばらく立ち直ることができませんでした。付き添わなかったことを後悔し、悲嘆に暮れる毎日でしたが、教会の先生から、「ご主人に安心してもらうには、まずあなたが元気になることですよ」と諭され、次第に元気を取り戻していきました。

 以来、ご主人の命日の前後には毎年、自宅でみたま祭りを仕えてきました。このお祭りには、修一さん夫婦をはじめ、孫やひ孫まで、親族が顔をそろえます。その一人ひとりが、神様、みたま様に感謝の祈りをささげ、家族の安全を願う美代子さんの姿を見て育っていったのです。そうして、美代子さん一家はその結び付きを深く強いものとしていきました。

 今年1月。教会のお広前には、修一さんに伴われた美代子さんの元気な姿がありました。

 「今年も、もうすぐおじいちゃんの命日です。先生、お祭りの日を決めて頂きたいのですが、ご都合はいかがですか」。先生にこう尋ねながら、「人のお世話にならずに、自分の足でお参りさせて頂きたいのですが…。至らないことがあれば教えてください。まだまだ修行が足りませんから」と、元気にお届けされました。そのそばで、修一さんもお礼の祈りをささげました。

 美代子さんには今、新たな願いがあります。それは、ご霊地(岡山県金光町)で今秋に仕えられる、立教150年の生神金光大神大祭に参拝することです。

 修一さんをはじめ家族の者は皆、美代子さんの願いがかなうことを祈っています。

※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています。
メディア 文字 信心真話 金光新聞 

投稿日時:2009/05/18 17:21:49.379 GMT+9



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