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頭から熱湯浴びた息子【金光新聞】

最寄りの病院へ そして大学病院へ

「アーッ!」。悲鳴とも叫びともつかない妻(39)の声が、台所から教会の広前へと響き渡りました。何事かと、私(41)が駆け付けると、息子(1)がカウンターの上にあったコーヒーメーカーをひっくり返し、熱湯を浴びていたのです。

 私は息子を抱きかかえ、「生神金光大神様」と唱えながら、流水で患部を冷やしました。すると、水をかけた部分から、柔肌がずるずるとむけていったのです。

 私はご祈念をし、すぐに息子を抱えて、最寄りの病院へと走りました。ところが、「うちでは手に負えないから、大学病院に行ってほしい」と言われ、応急処置を施してもらうと、再び私は泣き叫ぶ長男と妻を車に乗せ、大学病院へと急ぎました。それは、昨年の秋の出来事でした。

 息子は、即時入院となりました。担当医師から、「お尻から皮膚移植をしなければならないかもしれません」と告げられました。頭と上半身を包帯で巻かれ、痛みと発熱で苦しむ息子を前に、「お母さんもつらいですね」と看護師さんから声を掛けられた妻は、泣いていました。

 その日から、妻は入院した息子に付き添い、教会では娘(6)と私の寂しい二人暮らしが始まりました。

 事故から3日後、娘の幼稚園での、最後の運動会がありました。家族みんなで行くことを楽しみにしていて、リレー選手になっていた娘も張り切っていましたが、私一人での応援となりました。しかし娘は、私に元気を与えてくれるほどに、力いっぱいの走りを見せてくれました。

 その晩、病室で娘は妻に、運動会の様子を少し興奮気味に話しました。そして、病室を去る時間になると、これまで我慢していた気持ちがあふれ出したのか、「帰りたくない」と、妻の足にすがり、泣き出しました。家族それぞれが、つらい思いを抱えていたのです。

健やかな成長 決して当たり前ではない

 そんな私たちを支えてくれたのは、教会信徒の皆さんや教友の祈りでした。金光教本部のあるご霊地(岡山県金光町)に住んでいる友人からは、「教主金光様から、『おかげを頂きましょう』とお言葉を頂きました」と書かれた手紙を添えて、ご神米が送られてきました。その心遣いが何ともありがたく、早速、ご神米を息子に頂かせました。

 すると息子は、「パパもママも」と言って、私たちにも勧めるのです。そのご神米を頂きながら、今まで抱いていた不安が和らいでいくのを感じました。

 その後、息子は想像以上の回復を見せ、皮膚移植をすることなく、3週間後には退院することができました。

 事故から3カ月がたち、久しぶりに息子とお風呂に入りました。湯船の中で強く抱きしめた息子の体は、明らかに大きく、たくましく成長しているように、私は感じられました。

 この時、それまで張り詰めていた私の心が解きほぐされていくのを覚えました。同時に、子どもたちの健やかな成長が、決して当たり前ではないことにも気付かされ、病院で出会った、私たちと同じようにつらい思いをしていた家族のことを祈らずにはいられませんでした。

 現在、息子は2歳半になり、元気に走り回っています。その姿を目にしながら、家族で元気に生活できるありがたさを、かみしめる毎日です。

※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています。
メディア 文字 信心真話 よい話 金光新聞 

投稿日時:2009/07/06 08:18:17.620 GMT+9



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