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おかげを頂くこつとは【金光新聞】

わらにもすがる思いで

 山田慶子さん(86)は、37歳で夫を亡くし、四人の娘を抱えて一家を支えるために懸命に働きました。やがて心臓病を患い、入院することになりました。そして医師から、「この先、長くは生きられないだろう」と告げられたのです。【金光新聞】
 実父母はすでに他界し、夫の死後、親せきとも疎遠になっていたことから、慶子さんには頼るところもなく、この先どうすればよいのかと、途方に暮れるばかりでした。そんな折、かねて親交のあった女性から、金光教の教会への参拝を勧められたのです。
 慶子さんは、わらにもすがる思いで教会を訪ねました。当時、教会長だった私の父は、慶子さんの苦しみを聞き取り、この道の信心でおかげを頂こうと話しました。父から信心による助かりについて聞きながら、慶子さんは「この神様におすがりすれば、助かるかもしれない。子どもたちも幸せになれるかもしれない」と感じ、それから教会参拝が始まりました。それは、私が小学四年生のころのことでした。
 こうして、信心の道を歩み始めた慶子さんは、子どもたちが就職すると、やがて教会で生活するようになりました。小学生だった私には、どんな事情からそうなったのか分かりませんでしたが、慶子さんとはその後十年ほど、教会で一緒に生活しました。
 それから月日は流れ、私が教会長となってからのこと、慶子さんから当時のことを聞く機会がありました。その中で、生活に追われ、周囲に気兼ねし、委縮していた慶子さんは、教会で信者さんたちが口々に掛け合う「ありがとう」の言葉に心が解きほぐされたと語り、次のようなエピソードを話してくれたのです。
 「ある日、先生(先代)から昼食を作ってほしいと言われ、どぎまぎしました。料理は苦手でした。『手の込んだ料理はできません』と言うと、『お供えのラーメンを作ってください』と言われ、作ってお出ししました。すると、普通のラーメンなのに、『ああ、おいしいな。こんなにおいしいラーメン食べたことがない。ありがとう』と言ってくださったことが胸に染みて、忘れられません」
 また、関係教会に参拝した折に聞いた教話の中で、「おかげが頂ける鍵は、実意丁寧」「親を大切に」という教えが心に残ったという慶子さんは、親先生、親教会、教祖様の教えを、そして神様を大切にしていくことが、すでに両親を亡くしていた自分にとっての、親を大切にし、実意丁寧に生きる実践になると思い、そのことに努めてきたといいます。

起きてくることを自分の修行として素直に受け止めていくこと

 かつて、「長くは生きられない」と宣告されたにもかかわらず、86歳の現在まで命を頂いてきた慶子さんは、この道の信心にご縁を得て教会で世話になったことで、その後の人生をありがたいものへと変えて頂いたと、信心のもとを振り返りました。
 「教会にお引き寄せ頂いた中で、自分なりに分からせてもらった『おかげを頂くこつ』は、起きてくることを自分の修行として素直に受け止めていくことです。そして、そのことに感謝する心を持ち続けることだと思います」
 慶子さんは今、「ありがとう」という感謝の気持ちをもっと広げていきたいと願っています。また、教会を自分たちの故郷として、守っていこうという気持ちを持ち続けてほしいと、娘たちに願いを懸けています。

※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています。
メディア 文字 信心真話 よい話 金光新聞 

投稿日時:2009/07/21 11:54:22.146 GMT+9



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