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厳しい経営に神の後援【金光新聞】

事業展開、工場増設の中

 今から45年前、チカ子さん夫婦は二十代で建材製造会社を興しました。でも、起業に必要な資金が十分に用意できず、工場の予定地は条件の良い場所ではありませんでした。そうした中で、チカ子さんは毎朝、教会に参拝し、事業の立ち行きを祈ることが日課となっていました。

 また、彼女自身も、乳飲み子二人を抱えながら、ご主人の仕事を手伝いました。そうして夫婦が力を合わせて働き、会社の運営は次第に軌道に乗っていきました。そして、9年後には株式会社となり、事業展開に伴って工場も増設されていきました。

 ところが、会社設立から18年後、ご主人が突然体調を崩し、そのまま帰らぬ人となったのです。会社の業績は極めて好調だっただけに、チカ子さんの肩には大きな責任がのしかかりました。

 そこで、すでに所帯を持ってIT関係の職に就いていた長男に相談し、長男が会社の経営を引き受けることになったのです。チカ子さんは経営の第一線から退いて、畑違いの職種に飛び込んだ長男を営業の面から支えることになりました。

 先行きが不透明な中での再出発でしたが、それまでの実績に裏打ちされた信頼から、数か月先まで注文が途切れることなく入り、安定した経営は、その後十数年続きました。

 そうして多忙な毎日を送るチカ子さんは、いつのころからか、だんだんと朝参拝から足が遠のき始め、いつしか途絶えてしまったのです。

神様にすがる気持ちで

 そんなチカ子さんが、3年ほど前から、朝参拝を再開しました。教会から足が遠のいていた間に、仕事の受注の減少で資金繰りが苦しくなり、長男夫婦との折り合いも悪くなったというのです。

 「半年先の予定はありますが、毎日の仕事がありません。日々の仕事のおかげを頂けますよう…」。それは、悲痛なお届けでした。

 教会の先生は、「今では使わなくなった広い工場跡地や建物、機械へのお礼、亡き夫や従業員、取引先へのお礼を、まずしっかりさせて頂きましょう」と話しました。

 チカ子さんは、「分かりました」と応えるものの、頭の中は仕事の受注に対する焦りばかりが先走り、眠れない日々が続いていました。

 再開された朝参拝が2年目に入ったころには、チカ子さんは会社を整理すべきか否かで悩んでいました。そんなチカ子さんに、先生は「まずは、従業員やその家族の立ち行きを祈りましょう」と伝え続けました。

 そうした日々を重ねてきたチカ子さんですが、近ごろ、その表情が明るくなったと、教会の先生は感じています。それは表情だけではありません。チカ子さんのお届けの内容も、お礼を中心にしたものに変わってきたのです。

 亡き夫の旧友からの注文など、小さな仕事であっても、途絶えることなく入り続けてきたことに、神様の後押しを感じ、感謝の思いがわいてきたのです。

 不況下の現在、半年先の仕事は入っていませんが、不思議と一つの仕事が終わると次の注文が入るという状況が続いています。

 先のことを考えれば、どこまでも不安ですが、まずはお礼の気持ちを土台にして、神様にすがる気持ちで一日一日を大切にしていきたい。チカ子さんはそう話しています。

※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています。
メディア 文字 信心真話 よい話 金光新聞 

投稿日時:2009/08/14 08:55:21.224 GMT+9



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