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「おかげは授けてある」 【金光新聞】

神様からのお知らせ

 数年前に結婚した敏子さん(36)は、早く子どもを授かりたいと望むものの、その願いはなかなかかないませんでした。
 敏子さんは、ご両親ともども、熱心に教会へ参拝し、神様に懐妊をお願いしながら、病院へも通院して治療を受けるなどの努力をしてきました。
 そうした中で、敏子さんとご両親の願いを神様へ取り次がせてもらう私も、彼女の切実な気持ちをくみ、神様にそのことを祈らせてもらっていたのです。
 そんな、ある日のこと、ご祈念の最中に、私はふと、「おかげは授けてある」という声が聞こえたように感じました。
 「これは、子どもを授けるという、神様からのお知らせなのだ」と直感し、懐妊に喜ぶ敏子さんとご両親の姿を心に思い描きながら、私は神様にお礼のご祈念をしました。

 それから、敏子さんの懐妊の知らせを心待ちにしていました。しかし、何日たっても、彼女から子どもを授かったというお届けを聞くことはできませんでした。
 私は、あの時聞いた「おかげは授けてある」という声は、空耳だったのではないかと思い始めました。
 ちょうどそのころ、敏子さんの祖父母のみたま様の式年祭を仕えさせて頂きました。
 その祭典の最中、先祖からつながる敏子さんの命に思いをはせながら、「敏子さんの祖父母も、その母親のおなかの中で神様から分霊(わけみたま)という命を授けられ、お育て頂く中で、ご両親が生まれて今の敏子さんの命がある。人は皆、生まれた時からすでに、おかげを頂き通しに頂いて生きているのだ」と、しみじみ思ったのです。
 その瞬間、私は、ご祈念中に聞こえた、「おかげは授けてある」という、あの言葉のご神意に触れさせて頂いたような感慨を覚えました。そして、敏子さんは、すでに幸せというおかげを頂き通しに頂いてきているということに思い至ったのです。

生かされているからこその今

 敏子さんは、ご両親のもとで元気に生まれ、はえば立て、立てば歩めと、その成長を願われて、今日までの長い年月を神様にお育て頂いてきました。その中で、ご主人と家庭を築き、健康で仲良く暮らす今があるのです。
 私たちは、幸せを願う時、とかく、「こうあらねばならない」と、人間側の狭い視野や価値観で考えがちです。
 このたびの敏子さんのことでは、神様の教えを伝えていく金光教の教師である私も、いつの間にか、「子どもを授かることが、おかげを授かること」という考えにとらわれて、せっかく授かっている、神様からの広大なおかげの意味を取り違えていたのでした。
 私はその日から、「敏子さんが生まれてから今日まで、神様から授かってきたおかげへのお礼と、先祖のみたま様たちからつながる命を、どうぞ次の代に伝えさせてください」と、彼女やそのご両親に成り代わって願わせて頂こうと、祈り方を改めました。

 それから数カ月後、敏子さんから、無事に子どもを授かったと、うれしい知らせが入りました。
 それ以来、私は、神様から分霊をお授け頂き、生かされているからこその今だ、ということに気付かせて頂けた時の感動を忘れないよう、毎朝の定時のご祈念とは別に神前拝詞を一巻あげ、お礼を申させて頂いております。
メディア 文字 信心真話 金光新聞 

投稿日時:2010/10/27 09:00:43.245 GMT+9



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