志望校を変えた方がいいかもな
「将来、地球環境に役立つ研究をしたい!」
娘の愛子は、そう願って、専門の学部を持つK大学への進学をめざしていました。
高校2年生の時にはオープンキャンパスにも参加し、K大学の雰囲気や学生達の生き生きとした姿に、憧れを強くしていきました。
ところが、受験がいよいよ目前に迫ってきた3年生の11月、センター入試前の面談で学校の先生から、「志望校を変えた方がいいかもな」と言われえたのです。先生としては、愛子にとって最善の道を示してくださったのですが、愛子は自尊心が傷つき、「おまえはダメな人間なんだ」と、人格まで否定されたように受け止めてしまったのでした。
後日、K大学に変えてN大学への学校推薦の話がありましたが、倍率が高いことから、その後に行われる前期、後期試験に向けても勉強をしていくよう、指導がありました。
そうした学校の指導に、娘は戸惑い、不安を募らせていきました。連日の睡眠不足と過度のストレスからか、見る見る食欲が落ち、体に偏重を来すようになりました。
私は、不安と焦りで泣きながら机に向かう娘の姿を、その傍らでひたすら祈り見守るだけの毎日でした。
私たち母娘は、受験に望んで、ある約束を交わしていました。それは、「どんなことでも神様にお届けさせてもらおう」「愛子が、先々お役に立てるところへと、神様に導いて頂こう」ということでした。
私はこの受験を通し、娘の心が少しでも信心へと向いてもらいたい、と願いをかけていました。
金光教の教師を両親に、教会で育った愛子でしたが、それまではお結界に行っても、朝晩のあいさつ程度のことしかしていませんでした。けれど、よほど苦しかったのでしょう、ある日お結界で、父である教会長に苦しい胸のうちを吐露しました。
大いなる天地のお働き
その御届を聞いた教会長は、次のように話しました。
「確かに、愛子は今まで本当にがんばってきたね。だけどここまで来られたのは、自分一人の力ではないんだよ。多くの人のお世話になり、神様にお守り頂いてきたからなんだ。そうした一つ一つは神様からのお差し向けで、決して無駄なことはない。お願いをしたら、その先は神様が良いようにしてくださる。思ったようにいかなくても、それも神様のお計らいだから、先々では必ずおかげになるからね」
私は、大粒の涙を流しながら、教会長の話を聞く娘の姿に、「どうぞ愛子の願いが神様へ、神様の願いが愛子に届きますように」と願わずにはいられませんでした。
娘は、事有るごとにお結界へ足を運ぶようになりました。そして、「金光教は真に人を救う宗教だね」「お母さん、いつも私のためにいろいろお世話してくれて、本当にありがとう」と、思ってもみなかった言葉が、娘の口から出るようになりました。
その後、娘は学校推薦でN大学を受験し、合格しました。
世間では受験シーズンになると、合格を祈願するお守りやお札が飛び交いますが、娘の場合はお結界でのお取次を通して、安心と助かりの道を教えて頂きました。
人生の節目は、大いなる天地のお働きがもっとも心に染み渡るときです。良い運命へと流れていくおかげを頂いてほしいと願っています。
投稿日時:2011/02/21 09:46:18.442 GMT+9