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夫を責める心に救いを 【金光新聞】

家庭内別居

 桐子さん(45)の夫・昭夫さん(45)は、腕のいい職人で、仕事道具には金に糸目を付けないといった職人かたぎの性格です。
 一方、夫と共に力仕事から経理までをこなす桐子さんにとって、独断で高価な道具類を購入する夫に、不満の思いが募っていきました。
 それでも、バブルで景気の良かったころは、道具代に見合うだけの収入もあり、二人でよく食事や旅行にも出掛けるなど、不満が一気に表面化することはあまりありませんでした。
 ところが、不景気になり、家計が苦しくなっても、昭夫さんは、相変わらず高価な道具を買い続けました。
 そして、そのことに桐子さんが意見するたびにけんかになり、二人は家庭内別居の状態になっていきました。
 
 そんなある日、桐子さんはそれまで、通り過ぎるだけだった自宅の近くにある金光教の教会の門を、くぐっていたのです。
 桐子さんは教会を訪れるまで、心療内科で医師に話を聞いてもらい、「かわいそうに、そんなご主人では無理もない」と同情の言葉を得ては、「私は正しいのだから、主人が態度を改めるべきだ」と、溜飲を下げてきました。
 ところが、教会では先生から、「家庭の中もご主人も変わりません。お参りするうちに、きっと、違うものが見えてきますよ」と言われ、さらには、「ご主人のことを、毎日祈ってみましょう」と進められたのです。
 その促しは、桐子さんにとって思ってもみないものでした。
 それでも、先生の言葉がなぜか心に引っ掛かり、桐子さんなりに毎日少しずつでも、夫のことを神様に祈るよう努めました。
 だからといって、昭夫さんへの不満が消えることはありませんでした。しかし、時間がたつにつれて、あれほど自分は悪くないと思っていた桐子さんに、自分の足りなかったところが少し見えてきたのです。

信心のけいこ

 そのころから、これまで何かと避けてきた昭夫さんの親族との付き合いなども、心に過剰な負担を抱えることなくできるようになるなど、桐子さんの生活が徐々に変わっていきました。
 とはいえ、「一緒に働いていても、主人ばかり思うようにして、私にはちっとも良いことがありません」と、また昭夫さんへの不満が、彼女の心を乱します。そんな桐子さんに、教会の先生は問い掛けました。「あなたには家があり、優秀な息子さんがおられ、元気で働いてくれる夫がいる。そのことに、今まで感謝したことはありますか」と。

「思えば、夫に当たってばかりの夫婦生活だった…」
 桐子さんは、これまでの自分のありようを顧みるようになりました。また、昭夫さんのことを抵抗なく祈れるようになっていきました。すると、昭夫さんへの態度にも余裕のようなものが生まれてきたのです。
「きっとどこかに、私のオアシスはある」。桐子さんは、いつもそう思って生きてきました。今でも、教会の先生にオアシスの在りかを尋ね求めています。
 その都度、教会の先生からは「まず、自分の足元を一生懸命掘らなければ、水は出てきませんよ」と諭されます。教会への参拝を通して、桐子さんの信心のけいこは、まだまだ続きます。
メディア 文字 金光新聞 信心真話 

投稿日時:2011/10/27 12:11:37.058 GMT+9



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