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母の御霊に守り導かれ【金光新聞】

母の五十日祭

 母がお国替え(逝去)して、10年がたとうとしています。何事にも神様いちずで、新地布教に出た父のご用を陰で支えながら、真一心を貫いた人でした。
 母は自分の最も見やすい場所に、「表行(わぎょう=形に表して行う修行)よりは心行をせよ。人を不足に思わず、物事に不自由を行とし、家業を働き、身分相応を過ごさぬよう倹約をし、だれにも言わずに行えば、これ心行なり」という金光教祖のみ教えをメモ用紙に書いて張り、実践を心掛けていました。
 その母が80歳になると、認知症になりました。それから亡くなるまでの14年間、母はその病を通して、人はどう生きていけばいいのかを身をもって教えてくれました。

 さて、母の五十日祭が仕えられる前日のことです。隣県に嫁いでいる姉が3時間ほどの道のりを夫婦そろって車で来てくれることになっていました。
 ところが、予定の時刻が過ぎても到着しません。どうしたのかと心配していると、2時間ほど遅れて到着しました。
 姉夫婦によれば、教会に向けて高速道路を走行していたところ、中間地点まで来た辺りで急にエンジンに不調を来したというのです。路側帯に停車して、JAF(故障救援)を呼んで調べてもらいましたが原因が分からず、「とにかく高速を下りて一般道を走り、絶対にエンジンを切らないように」と言われ、一般道をゆっくりと教会まで走ってきたとのことでした。そして教会の駐車場に着いた途端、全く動かなくなりました。
 居合わせた人たちは皆、「おばあちゃんが導いてくれた」「みたまのお働き」と、口々に言いました。私もそう思う一方で、みたま様のお働きがあることは頭では分かっても、心中どこかふに落ちないところがあったのです。 

御霊様の生きた働き

 結局、その後エンジンはかからず、姉たちは教会に車を預けて帰ることになりました。
 私は、後日その車を修理に出しました。その折、親神様、みたま様に車が修理できますように、そしてその修理代がいくらかかろうと、どうぞ私の方で支払わせて頂けますようにと、ご都合お繰り合わせを願わせてもらいました。
 そうして、1週間ほどして車が戻ってきました。修理箇所や故障の原因について説明を受けながら、「あの距離を、よくここまで走ってこられたもの」と、あらためて思いました。そして、修理代の請求書を受け取り金額を見た時、私は驚きのあまり、思わず声が出そうになりました。
 実は、五十日祭の数日前に、母の老齢年金の未支給分としての支払い明細が送られてきました。私は、それを修理代の一部にと考えていたのですが、なんと、請求書に記されていた金額と母の老齢年金の支給額の差額が、わずか5百円だったのです。「足りない5百円は、あなたが足しておいてよ」と、母の声が聞
こえたような気がしました。
 
 みたま様の生きた働きを、神様はこのような形で私に見せてくださいました。母は認知症になっても、その信心の徳によってどれほど私たちのことを祈り願
ってくれていたことか。そして、亡くなった後もなお、私たちのことを守り導いてくれています。
 母のように、先の世でも神様に使って頂き、子や孫を守らせて頂けるよう、信心の稽古をさせて頂きたいと思います。
メディア 文字 金光新聞 信心真話 

投稿日時:2013/04/24 09:34:18.390 GMT+9



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