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苦労の人生支えた教え【金光新聞】

自分の幸せは自分で見つけなさい

 平成13年のことです。愛子さん(当時79)は、50年以上前に亡くなった両親のみたま様を合祀(ごうし=一緒に祭ること)してもらうため、山口県下の金光教の教会を訪れました。
 この教会でご用する先生(当時57)は、愛子さんとはいとこに当たりました。
 愛子さんも金光教のある教会に生まれ育ちましたが、縁あって、北陸地方の商家に後添いとして迎えられました。
 しかし、結婚後の人生は苦労の連続でした。結婚当時、実家にはまだ小さな妹たちがいて、手のかかる状況でした。それで、実家からたびたび手紙が来たのですが、そのたび、おしゅうとめさんからは、「この家の役に立つために、後添いに入ってもらったのだからね」と、きつく言われました。その上、血のつながらない4人の子どもたちとの仲もうまくいかないなど、何でこんな所に嫁いできたのだろうかと後悔しながら毎日、泣き暮らしていたそうです。

 教会での合祀の霊祭が終わると、愛子さんは先生に、せきを切ったようにこれまでの人生を話し始めました。
 40年以上前になるかねえ。この教会に遊びに来た時、亡くなったあなたのお父さん(当時の教会長)から、「人や場によって自分を幸せにしてもらおうと思ってはいけないよ。夫や家を当てにして、自分を幸せにしてもらおうとは思わず、自分の幸せは自分の心の中で見つけなさい」と、教えてもらったの。それ以来、私は今日までその言葉を支えに辛抱させてもらってきたのよ。

それはね、信心してるからよ

 義母は晩年、寝たきりになり、その介護もさせてもらってきたけど、ある時、義母の実の娘に、「お母さんにこんな布団を着せて。もっと良いのがあるから、それを着せなさい」と言われてね。義母は娘の言われるままにさせてたけど、娘が帰ると、「愛子さんや、元の布団に戻しておくれ」と言うようになったの。そして、亡くなる前には、「世話になったなあ。あんたがおってくれたから、この家は成り立ったんよ」と、私に言ってくれてね。もう、その一言で、それまでの苦労が吹き飛んだのよ。あなたのお父さんに教えられたことを支えにしてきたから、辛抱できたんよ。
 今は夫が認知症になって、家のことは息子夫婦に譲ってるんだけどね。最近、嫁が、「お母さんは後添いできて苦労して、今はお父さんもあんなになって。一つもいいことないのに元気だね」って言うからね、私は、こう応えたのよ。「それはね、信心してるからよ。私が金光教の信心をさせてもらってるから、おかげを頂いたのよ」。

 愛子さんが話し終えた後、先生は次のように応じました。
 「人は往々にして、他人や物事を当てにして、それが思うようにいかないと、相手や自分の境遇を恨んで、心を乱し苦しみの世界に沈むものです。人間の心は弱いものですが、父のたった一言が、あなたの心を生涯支え続け、最後にはその心が、おしゅうとめさんにも伝わったのは、信心のおかげでしょう。なるほど、自分自身を幸せにするのも、周囲の人を幸せにする働きも、人間の心の中にこそあるのですね」
 この霊祭の3年後、愛子さんは、40年以上も前に教会の先生から頂いた教えを支えに、信心辛抱でおかげを頂いてきた生涯を終えました。 
メディア 文字 金光新聞 信心真話 

投稿日時:2013/05/14 11:20:25.891 GMT+9



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