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病気通して取次の稽古【金光新聞】

もし、自分の身に何かあったら・・・

 2年ほど前、伸子さん(45)が久しぶりに参拝してきました。お広前で目を閉じたまま、静かに祈る彼女の表情はどこか暗く、何かを思い詰めているようでした。
 伸子さんは、子どものころ、母親に連れられてよく教会に参拝していました。しかし、成長するにつれ少しずつ教会と疎遠になっていき、15年前に母親が亡くなってからは、大祭以外はほとんど参拝しなくなりました。
 彼女は祈りながら、チラチラとお結界にいる私の方を見ました。久しぶりの参拝なので、少し気まずいのかなと思い、私の方から「伸子さん、お元気でしたか」と、声を掛けました。その声に促されるかのように、伸子さんはお結界に来て、目に涙を浮かべながら話し始めました。

 1カ月ほど前、市から健康診断の案内通知が届きました。どこといって気になるところはなかったのですが、念のためにという程度の気持ちで予約したそうです。そうして検査を受けてみると、肺に小さな影が見つかり、再検査をしたところ、がんだと分かったのです。
 「私には中学生と高校生の子どもがいます。自分の身に何かあったら、子どもたちはどうなるのでしょう」
 「そうね。でも、まずは早期発見で良かったですね。健康診断を受けさせてもらったのは〝行きなさい〟と、お母さんのみたま様が働いてくださったからではないかしら。今日、こうして参拝できたのも、神様が助かりの道へとつなげてくださったということです。ここからおかげにしていきましょうね」
 私は不安でいっぱいの伸子さんに、そう言いました。
 その後も、参拝しては、検査結果や治療状況をお届けしていく伸子さんに、神様に生かされていること、みたま様が見守ってくれている私たちであることを話しました。

お礼を言わせて頂く稽古をしているんです

 そうした中で、伸子さんは次第に変わっていきました。検査前には必ず参拝して、お取次を頂いてから病院に行くようになり、病気のことも前向きに考えられるようになっていきました。不安が無くなったわけではありませんが、お取次を頂く中で、天地のお恵みの中で生かされていることや、母親のみたま様がいつも守ってくれていることを少しずつ実感できるようになっていったからでしょう。
 そうして3カ月後、伸子さんは手術に臨み、がんを全て摘出することができました。手術後の定期検診時には、必ず参拝してきて、「何も異常ありませんでした。ありがとうございます」と、お礼のお届けをします。

 つい先日の検診時、いつものお礼のお届けが終わり、帰ろうとして立ち上がった伸子さんは、何かを思い出したように座り直して、「先生、私、神様と母のみたまに、お礼を言わせて頂く稽古をしているんです。毎日は、できていませんけど」と、少し照れながら言いました。
 「それはありがたいね。神様もお母さんのみたま様も喜んでくださっているでしょう」と言うと、うれしそうにうなずいていました。
 「がんになって、今まで健康だったことのありがたさに気付かせてもらえましたし、母のみたまがずっと私のことを守ってくれていると思えるようになりました。それがとてもうれしくて、ありがたくて」。伸子さんはそう言うと、霊前に手を合わせ、祈りを込めました。
メディア 文字 金光新聞 信心真話 

投稿日時:2013/05/27 11:01:41.910 GMT+9



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