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最善へと道付ける働き 【金光新聞】

「不合格でした」

 今年も受験シーズンを迎えました。この時期になると、私はいつも長男の高校受験のことを思い出します。
 長男の雅志は、ぜんそくのため小学生のころは学校を休みがちでした。中学生になると治まってはいましたが、春先には発作が起き、油断はできませんでした。
 やがて高校入試の時期を迎えました。志望校を決める際に、公立高校を専願していましたが、公立の入試前に受験の雰囲気を経験しておこうと、腕試しも兼ねて難関校といわれていた私立を受験しました。もし、合格しても入学させるつもりはなく、長男もそのことは承知していました。
 結果は、合格でした。この合格に長男も自信がつき、また担任の先生の助言もあって、本番の公立高校受験では、難易度が一つ上のA高校を受験することにしたのです。

 公立高校の結果発表の日、私は教会のお結界で知らせを待っていました。落ち着かない中で、2月と3月の初旬に、私は長男と金光教本部に参拝し、教主金光様にお取次頂いたことや、長男が親教会に何度も参拝したことなどを思い返していました。
 そうこうしている時、電話が鳴りました。
 手にした受話器の向こうから、「不合格でした」という長男のか細い声が聞こえてきました。
 それからすぐに、担任の先生に結果を報告し、親教会には本人にお届けに行かせました。長男は表情にこそ出しませんでしたが、ショックは大きかったに違いありません。 
 合格していた私立高校には、入学の手続きをしませんでしたので、長男は二次募集をしていた公立高校の中から、自宅から自転車で10分ほどの距離にある、B高校に応募することにしました。
 中学浪人も考えるなど、その後の手立てを尽くす中で、「ご本部に参拝し、親教会でも本人自らお取次を頂いてきたのに、なぜ落ちたのか」という思いが私の心中を巡り、合格発表までの一週間は、親として大変長く感じられました。

お取次のお徳

 B高校合格の報告をお結界でお届けする長男の姿に、私もようやく安堵(あんど)を覚え、二人で神様にお礼をしました。担任の先生は、「雅志君がクラスで最後に決まるとは思わなかったよ」と言いながら、喜んでくれました。
 教会の信者さんも心配して祈ってくださっていたので、B高校に合格したことを報告すると、「良かったですね。もしA高校だったら通学に1時間はかかるので、雅志君の体を思うと心配でした」と言われたのです。
 そうして高校生活が始まると、長男はぜんそくの発作を頻繁に起こすようになりました。この時、長男は、「家から近いB高校だから通えるけれど、1時間はかかるA高校だったらとても無理だったと思う」と言いました。
 長男は3年間ほとんど休むことなく通学し、今は大学生として元気な毎日を過ごしています。

 このことを通して、人は往々にして目先の望みが成就することを願いますが、神様はその人にとって最善となるよう、道付けてくださっていることを、親子共に教えて頂きました。
 A高校に落ちたことも、本人は力試しができたと、後悔していません。子どもの願いも聞いてくださった上で、素直にB高校へ行けるよう道を付けてくださる。私にとっても、この時のことは、お取次のお徳を感じさせてもらう体験となりました。
メディア 文字 信心真話 金光新聞 

投稿日時:2014/02/28 17:30:18.517 GMT+9



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