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「お役に立つ人」を指針に【金光新聞】

『日々祈念』

 秀平君(18)は、今年3月に高校を卒業して県外の大学に進学することになり、おばあさん、お母さんと一緒に教会に参拝してきました。そして、卒業のお礼と進学の報告を、しっかりとお届けしてくれました。
 私はお結界から秀平君に、「初めての一人暮らしは楽しみだね。これからの学生生活や、その後の社会人としての生活の中で、お金をもうけたいとか、他人よりいい思いをしたい、地位や名誉を得たいとかを目標にすると、必ず行き詰まる時が来るよ。だから『人の役に立つ、人のためになる』ということを、これからの人生の中心にすることが大事だと思うよ。秀平君が遠くに離れても、このお広前でご祈念しているから、家族への感謝を忘れずに、元気で頑張ってください」と話をさせて頂きました。

 私がこう話した背景には、先代教会長の教えがあります。お広前の黒板には、「『日々祈念』和賀心を頂き、こころよう。人の助かるお役に立たせて下さい。家庭の助かるお役に立たせて下さい。社会の助かるお役に立たせて下さい。『みたま様』の助かられるお役に立たせて下さい。『神も助かり氏子も立ち行く』大願成就のお役に立たせて下さい」と書かれてあります。
 これは、8年前に亡くなった先代が自らチョークで書かれたもので、今も消さずに残しています。先代は、「おかげを頂いてありがたい、ということで終わってはいけない。おかげを頂いたら、お役に立たせて頂きたいという願いを立てて、その願いを形に現していかなければいけない」と教えてくださっていました。
 また、以前は教会で少年少女会の集会が毎月2回開催されていて、私は毎回参加してお育て頂きました。集会の最初には、「み教えにより信心を進め、お役に立つ人になります」という、同会の「祈誓」を、参加者全員で唱えていました。

「お役に立つ人になる」

 今回、秀平君とのお結界でのやりとりを通して、黒板に記されている先代の言葉と、少年少女会の「祈誓」のことを思い起こし、あらためて「お役に立つ」という生き方の大切さを思ったのです。
 私自身、会社勤めの経験がありますが、そこでは利益や効率が優先され、しかも短期間で結果を求められます。「生きがい」や、「自分の存在する意味」が分からなくなりそうな状況に追い込まれた時もありましたが、そんな中でも、人の立場に立って考えることを基本にしながら頑張ることができ、今日こうして、先代の後を継いで教会でご用をさせて頂いているのも、実は、子どものころからずっと変わらず先代から受けてきた、「人のお役に立つ」という教えがあったからではないかと思うのです。

 秀平君のような若者が、これから社会人として生きていく上で、いろいろと困難な事柄にも出合うことでしょう。どんな道に進もうとも、仕事を辞めたいとか、こんなに頑張っているのに報われないとか、あるいは、どうして自分だけこんな目に遭うのかという思いになることが一度や二度はあるものです。そんな時にも、「み教えにより信心を進め」て、「お役に立つ人になる」ということが中心にあれば、乗り越えていけると思うのです。
 この先、もし秀平君が行き詰まるようなことに出合った時に、私の話を思い出して人生の支えにしていってくれればと、願っています。
メディア 文字 信心真話 金光新聞 

投稿日時:2014/07/04 10:56:18.479 GMT+9



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