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立教以来156年の祈り―教主就任の日をお迎えして―

金光教報 『天地』 3月号巻頭言

 教主金光平輝様におかれては、平成3年に前教主金光鑑太郎様のご帰幽の後、全教の願いをお受けくださり、教主にご就任になられ、本教統理のお働きをお進めくださることになってから、本年3月27日に25年目となる教主就任の日をお迎えになる。昨年10月31日には80歳のご誕生日を迎えられ、11月にはご夫妻で金婚式をお迎えになり、全教信奉者にとって大きな喜びであった。
 神様のお頼みを受けられた教祖様が、家業をやめて御取次に専念されることとなり、教祖広前が生まれ、多くの人が助けられ、その中からまた取次に従う人々が生まれて、今日の教団に発展していった。教祖広前が教団のできる元であり、その御取次が代を重ねて受け継がれて、今日の教団がある。本教信仰の中心は、ご霊地と本部広前の御取次、教主統理の下にあるとの自覚を深めさせていただくことが、いよいよ大切である。
 教主金光様は、教団を統理くださるなかに、本部広前において早朝3時45分のお出ましから、夕方4時40分のお退けまで参拝者の願いを神様に御取次くださり、全世界の人々の助かり、立ち行きをご祈念くださっている。
 それは、教祖様が安政5年9月に神様から頂かれた、「秋中、行(ぎょう)せい。朝起き、衣装(いしょう)着かえ、広前出、祈念いたし。すみしだい、広前、膳(ぜん)、妻にすえさせ。支度いたし、すぐに衣装着かえて、はだしで農業へ出」とのお知らせを起源としていると拝させていただく。「はだしで農業へ出」ることは、その年の秋で終わられても、「朝起き、衣装着かえ、広前出、祈念いたし」とのご内容は、ご生涯をかけて行じていかれたであろう。また、明治元年9月のお知らせ、「天下太平、諸国成就、総氏子身の上(みのうえ)安全の幟(のぼり)染めて立て、日々祈念いたし」についても、幟は明治六年の神前撤去の際に片付けられたが、「天下太平、諸国成就、総氏子身上安全、日々祈念いたし」のご内容は、ご生涯にわたって続けられ、多くの人々が助けられることとなったのである。
 そのご祈念、御取次は、教祖様ご帰幽後も変わることなく歴代金光様に受け継がれ、教祖広前から本部広前へと名称は変わっても、156年の間、一日として途切れることなく続けられている。そのごひれいを頂いて、今日まで、全教の教会、信奉者がおかげをこうむっているのである。
 現教主金光様におかれても、歴代金光様のご信心、ご用姿勢をひたすらに頂かれている。とくに、父君であられる四代金光鑑太郎様を頂きとおされ、その在られように対して、「何も足すものも引くものもない」と仰せになっている。そのようなお心で、四代金光様のみ跡を受けて教団を統理され、本部広前御取次のご用をなしくださっていることは、真にもったいなく、ありがたいことである。
 立教150年のお年には、「あらためて、ご立教にかけられた親神様のおぼしめしと、これを謹んで受けられた教祖様のご信心に思いをいたし、いよいよ神と人とあいよかけよで立ち行く『神人(かみひと)の道』が、一人ひとりの生活に現されてまいりますよう、共々に心を込めてお役に立たせていただきたいと願っております」とのおことばをもって、これからの教団の向かうべき方向、この道の信心の中心をお示しくだされた。このおことばを大切に頂いて、教団の基本方針の副題に「『神人の道』を開く」と掲げるとともに、平成24年に「神人あいよかけよの生活運動」を発足させ、全教で取り組んでいるところである。
 「『神人の道』とは、どういうことでありましょうか」とおうかがいした信奉者に、「世話になるすべてにお礼を言うことです」とご理解なさった。まさに、親様である四代金光様を頂きとおされてのご理解であろう。
 また、人間関係に悩み、御取次を願ったある信奉者に、「縦軸は神様と人、横軸は人と人とがつながっています」とご理解なさっている。縦軸である自分と神様とのつながりを深めることなくしては、横軸である人と人との間柄も本当のものにならず、真の助かりにならないということを、ご自身の信心をもってお示しくださったのだと頂くのである。
 来る3月27日に教主ご就任の日をお迎えするに当たり、み齢(よわい)を重ねゆかれるなかで、このうえとも御身健やかにご用くださるよう、全教信奉者が祈念を込めさせていただくとともに、教主金光様の御取次を頂きつつ、「世界の平和と人類の助かり」の実現に向けて、教団、教会の諸活動、さらには、信奉者一人ひとりの信心生活のうえに、「神人の道」が現されていくおかげをこうむってまいりたいと願うものである。

投稿日時:2015/03/03 09:53:42.456 GMT+9



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