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信心上達には素直な心【金光新聞】

がむしゃらな自転車の練習

 5月の連休中、わが家に弟一家4人が帰省し、にぎやかに過ごしました。その時の一番の出来事は、連休中に3歳の誕生日を迎えためいの日菜(ひな)ちゃんが、自転車に乗れるようになったことです。しかもたった2時間足らずで。
 自転車は、子ども用の中でも一番小さいサイズで、もちろん補助輪付きです。初めは、サドルをまたぐしぐさもおぼつかなくて、ハンドルにしがみ付いているのがやっとという感じ。それでも、背に付いている補助棒を大人がゆっくりと押してやると、じきにバランスを取るこつをつかみました。
 次には「こぐ」ことを教えようと、親たちは大人用の自転車を持ち出して、「ほらね、日菜ちゃん。こうして自分でこいで前に進むんだよ」と、日菜ちゃんの目の前で乗って見せました。
 「日菜ちゃんはまだ小しゃいから乗れないんよね」と自分を納得させていた日菜ちゃんですが、大人たちが風を切って気持ち良さそうに走る姿を見るうちに、やる気がむくむくと大きくなってきました。「日菜ちゃんもやる」。

 長袖を脱ぎたくなるような陽気で、額には汗がびっしょりです。気が付けば1時間ほどがたっていました。「いっぺんには無理だよ。お水飲んで休憩しよう」と声を掛けても、「いや。まだやる!」と言って聞きません。
 その様子に、少しばて始めていた親の本気も引き出されます。弟は、いったんスタンドを立て、地面にしゃがみ込んで、自転車にまたがった日菜ちゃんの足とペダルを持ち、「いい? こっちの足が下まで来たら、そっちの足をグンって踏むんだよ」と、手取り足取りの教習が始まりました。

「素直でないと、おかげは頂けません」

 黙ってうなずく日菜ちゃん。「はいっ! 右足がてっぺんに来たら、グンっと踏み込む、左、すぐ右、ほい左。上まで来たら、また踏み込む」。ゆっくり動きを確認すると、日菜ちゃんはコクリとうなずき、一人で足を動かし始めました。そうして、いよいよ実際に地面でこいでみることにしました。親の言う通りにペダルを踏み込み続け、なんと2時間ほどで自転車を乗りこなしてしまいました。やがて、ブレーキやUターンも習得した日菜ちゃんは、しまいに、「これでおうちまで帰る」と言い出すほどになっていました。そして「日菜ちゃん、大きくなったから自転車乗れたんよね」と一言。「えらい早く大きくなったなあ」と、弟家族と私とで大笑いしました。

 何事も上達の秘訣(ひけつ)は、絶対できると信じて取り組むことだなと感心していると、ふと私の心の奥で、「信心も同じこと」と声がしました。
 こうなりたいと強く願い、素直に実行する心になれば、成就しないことはないでしょう。自分で無理だと思ったなら、物事はそれ以上先には進みません。
 物事が思うように進まない時、その原因は他ならぬ自分の中にあるのかもしれません。それを素直に見詰め、一つずつ積み上げていく姿勢に、動かぬものでも動かす力が生まれるのです。
 「おかげとは、まだ見ぬ手元にないものを求めること。素直でないと、おかげは頂けません」。かつて信心の大先輩が言われたこの言葉を思い出し、欲しがることばかり上手になって、神様にご苦労掛けている自分かもしれないと、日菜ちゃんの頑張りから気付かされた午後でした。

(金光新聞「心に届く信心真話」2014年5月4日号掲載)
メディア 文字 信心真話 金光新聞 

投稿日時:2015/05/29 17:09:43.968 GMT+9



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