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生神金光大神大祭をお迎えして

金光教報『天地』10月号 巻頭言

 天地の絶え間ない営みのおかげを受けて、今年も実りの秋を迎え、生神金光大神大祭が10月4日、7日、10日の3日(さんじつ)にわたり本部広前で執り行われ、そのごひれいを頂いて、各地のお広前でも同様に仕えられる。
 教祖様は、23歳から次々とご家族を亡くされ、さらにはご自身も九死一生という大患にかかられるなど、度重なる苦難に出遭われた。後年、その頃のことを振り返られ「神仏願いてもかなわず、いたしかたなし。残念至極と始終思い暮らし」と心境を記されている。
 わが子が病気で苦悶(くもん)する姿を目の当たりにされ、一時も早く快方に向かうよう神仏に願えども、そのことがかなわなかったということは、「いたしかたなし」とあきらめられるものではなく、過ぎ去りし日々を思い出され、またも残念至極な思いがよみがえってくる。「死んだ子の年を数える」とのことわざがあるが、いつまでもその思いは消えがたいものであったとも拝される。
 そのような人としての深い悲しみを味わわれるなかにも、神信心をいっそう進められ、やがて神様の大恩に気づかれ実感され、ご神意を悟られ、取次のご用にあたられることとなられた。そうしたなかに、かつてのご自身と同じように、子どもの病気全快を願い参って来た婦人に「お天道様のお照らしなさるのもおかげ、雨の降られるのもおかげ、人間はみな、おかげの中に生かされて生きている。人間は、おかげの中に生まれ、おかげの中で生活をし、おかげの中に死んでいくのである」「子供も、おかげの中に生かされて生きている。生きていれば、病気にもなる。その時、かかえあげて拝むような信心ではおかげにならぬ。かわいそうだが、ほっといて神の前に願うような気になって信心してやるがよい。おかげがいただける」とのご理解をされている。言葉のみを拾えば、子どもを助けたいとの母の切なる思いに対して、かなり厳しいみ教えとも思える。けれども、神様のおかげを実感された教祖様の思いのこもった言葉の響きは、天地のお働きなくして一時も生きていけない人の身であることを気づかせ、むしろこの言葉により、信心することによっておかげは必ずいただけるとの思いを強くさせられたことであろう。
 このようにして、教祖様のご理解は願い来る人、一人ひとりの心に響きわたり、生きる力をよみがえらせ、そのことによって助かり立ち行くおかげへと導かれていったのである。
 しかし、そのような取次をとおして、おかげを受けたにもかかわらず、それきり信心をやめる人もあったようで、教祖様は、「痛いのを治してもらいたいということだけで信心していると、治って礼を言えば、それで信心は終わる。今日でも、何人もありがとうございますと言って帰ってしまったが、そういう人はこのようなことも聞けない。神様が金光大神に教えてくださり、話して聞かせよと言ってくださるから、話してあげる。それを聞いて、子供にでも他人にでも話して聞かせてあげよ。めいめいにそれを心得、天地の神様はありがたいとわかって信心する人が一人でもできれば、神様がお喜びになる。そうなれば、あなた方も神様のご用に立つこととなる」と語られ、おかげを頂くことが信心の終着点でなく、神様がお喜びくださるような信心、喜ばれるようなご用へと信心の展開を願っておられる。
 そうした教祖様のご信心の内容を頂き、その核心を求め続けられるなかに、先師たちも目先のおかげを頂くだけの信心で終わらないよう、本当の助かりへと導こうとされている。
 ある先師は、「私は、おかげを頂くための話はしない。信心のない人でも、既に天地の恩恵を受けているからである。皆さんは、天地の徳、恩恵によってできた物を頂いている。例えば、今お供えしているあの果物が、人間の力でできるであろうか。天地の恵みがなければ、できないであろう。天地自然の働きがあって、初めて人間の食物となっていくのである。その働きに感謝していく心が、大切なのである」「家が立派に建つことがおかげか、それもおかげかもしれない。お金があって幸福か、それも無くてはならないが、今日ただ今、生かされてあることを本当に喜ばなくてはいけない。一寸先が闇といわれる。いかにお金があっても、いつかは消えていく。人間として天地の道理に沿った生き方をさせていただいて、本当に自分が助かっていくなら、いつか肉体は消えても魂が残り、後々に道が続いていく」(『取次に生きる』事例25)と語られ、どこまでもわが身は神徳の中に生かされているとの自覚に立って、そのお礼を土台とした信心の大切さを説かれている。
 生神金光大神大祭を迎え、こうした道の先人達の歩みをも学びつつ、あらためて教祖様の求め続けられたご信心を頂き直し、それぞれに信心を進め、一人でも多くの人が助かるご用に共々にお役に立たせていただきたいと切に願うものである。

投稿日時:2015/10/01 09:00:00.000 GMT+9



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