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神に委(ゆだ)ねて治療の日【金光新聞】

肺がん、余命半年

 聖子さん(51)は、未信奉者の家庭から金光教を信奉する家に嫁いできました。
 幼いころ父親を亡くした聖子さんは、病気がちの母親と暮らしてきましたが、結婚後は嫁ぎ先に母親を引き取り、義父母と実母の同居が始まりました。義母は難病を患っていましたが、信心にあつい人で、その導きのもとで聖子さんは教会の月例祭参拝や神饌物を整えるご用も仕えるようになりました。
 その中で、3人の子を授かりましたが、末の子(次男)が生後間もなく心臓病で開胸手術を繰り返し、さらに夫の脳に血の固まりができ、切開手術をすることになったのです。義父母、実母の世話も重なり、この時期、聖子さんは苦労が絶えませんでした。
 やがて10年の年月が流れ、夫婦と子どもたち5人暮らしとなりました。手術を繰り返した次男は、志望した大学に見事合格し、穏やかな日々の中に喜びが生まれていました。

 そんな時、健康診断で聖子さんにがんが見つかったのです。医師から「肺がん、余命半年」と宣告され、「完治不可能、延命治療のみ」というカルテの文字が目に入った時には、頭の中が真っ白になりました。
 肺がんは転移性で、手術が不可能な状態でした。すぐに抗がん剤治療に入り、約半年間、2種類の投薬を受けましたが効果はなく、逆に副作用による肝数値の上昇で治療の継続さえできなくなりました。
 聖子さんは薬の副作用でだるい体を引きずりながらも、助かりたい一心で教会への参拝を続けました。当初は、これからどうなるのか、先の見えない治療に不安でたまらない気持ちを、泣きながら教会の先生に訴え、聞いてもらいました。
 そうして、参拝を続ける中、まだ治療が受けられるだけでもどれだけありがたいか、また、肺がんの発見が3カ月でも早ければ次男の受験に差し障りがあったことや、さらには、信心深かった義母のみたま様がこの病気を通して自分を教会に導いてくれているのかもしれないとさえ思えるようになっていきました。

治療が受けられることにまず感謝

 そんな中で、治療の最後のとりでと医師が言う新薬の投与が始まりました。治療を受けるに際して教会の先生から、「幸い、脳や骨への転移もないし、発がんの時期も神様は最善を尽くしてくださった中でのことだと思います。この投薬を機に、ここまでのお礼を申し、お役に立たせてくださいと願いましょう」と言われ、その言葉が聖子さんの心にすっと入りました。
 この新薬は、全ての肺がん患者の4パーセント程度にしか効果の現れないものでしたが、聖子さんは治療が受けられることにまず感謝して、治療入りました。
 新薬の投与を受けて間もなく、咳込む回数が減り始め、1カ月後の検査ではレントゲンに写るがんの影が薄くなっていたのです。

 新薬の投与から3カ月。余命半年との宣告を受けてから丸1年がたち、再び桜の季節が巡って来ました。1年前は病室から眺めた桜でしたが、今年はその昔、実母と行った場所へ家族で出掛け、花見のできる喜びを実感しました。
 転移性の肺がんが完治したわけではなく、依然として予断を許さない状況に変わりはありませんが、この先のことは全て、神様にお任せできる心境になったと、聖子さんは話しています。

※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています

(金光新聞「心に届く信心真話」2014年8月31日号掲載)


メディア 文字 信心真話 金光新聞 

投稿日時:2015/12/05 15:32:09.816 GMT+9



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