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心象風景に現れた霊(みたま)様【金光新聞】

暗い表情で返答された理由

 20年ほど前、私が40代のころの話です。教会の神殿と霊殿の前で私がご祈念をしていた時、ふと、私の心の中に神々しい光景が映りました。
 霊殿の扉が開き、その中では福々しく艶やかな4、5人のみたま様と思われる方々が楽しそうに歓談され、その前にはたくさんのおいしそうな食べ物が並んでいました。
 私は思わず、「おいしいですか」と、心の中で話し掛けました。すると、その中の1人が急に表情を曇らせるようにして、「ううん」と首を横に振ったのです。私は別の方に、「楽しいですか」と尋ねてみたところ、「楽しくない」と言われました。その方々が、暗い表情でそのように返答されたことに、私は戸惑いを覚えました。

 あの光景は一体何を意味していたのだろうか。それ以来、私はみたま様方の言われたことがずっと気に掛かっていました。
 やがて、4人の子どもたちを育てていく中で、ようやく長年の疑問が解けていったのです。
 子どもたちが成長する過程で、さまざまな問題や難儀が起きてきました。その中で、子どもたちの成長、立ち行きを願い続けていくことを通して、親の私もまた、育てられていきました。
 そうした経験から、「これは、みたま様も同じで、ご自身の成長とともに、子孫の成長を願い続けておられるのではないだろうか」と、気付かせられたのです。
 あの時、私の心象風景に現れたみたま様は、生前にお道の信心をされ、教会に祭られている方々です。そして、艶やかなお姿と多くのおいしそうなお供え物は、神様のみもとでおかげの中におられることを現しているといえます。
 反面、難儀をしている子孫を見て心配でたまらなかったのでしょう。その思いを、「おいしくない、楽しくない」という言葉で、私たち子孫に伝えたかったのではないかと思いました。

おかげを頂き続ける生き方

 私は、人間の身に起きてくる難儀や問題には、二つの意味合いがあると思います。
 一つは、「何も悪いことをしていないのに、なぜこんな苦しい目に遭うのか」という言葉を聞きますが、それは知らず知らずの思い違い、考え違いによって神様の思いに背く生き方になってしまい、結果、前々の巡り合わせで難儀になっているのです。それに気付かないままなら、めぐりによる難儀の根は切れず、さらにめぐりを積むことにもなりかねません。
 一方で、金光教の教祖様は、「みんな、天地の神様の分けみたまを授けてもらい、肉体を与えてもらってこの世に生まれてきているのであろう」「生きている間に神にならずして、死んで神になれるか」と教えられているように、人には、神様の分けみたまとして、この世でも先の世までも、おかげを頂き続ける生き方があるのです。

 起きてくる難儀や問題の正体は、その分けみたまを磨くための砥石(といし)のようなものだと思うのです。そのことに気付き、納得をして、何事にも心からお礼を申し、お繰り合わせを頂けるよう願っていけば、思いも寄らないおかげが生まれます。また、そうしていくことで、やがてめぐりは取り払われて、神徳(神様から授かる徳)に祭り変えて頂けるはずです。
 みたま様方は、私たち子孫に、分けみたまを磨き輝かせる生き方になって、真のおかげを頂いてもらいたいと切に願っておられます。

※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています

(金光新聞「心に届く信心真話」2014年9月21日号掲載)


メディア 文字 信心真話 金光新聞 

投稿日時:2015/12/25 09:00:00.000 GMT+9



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