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信心継承 伝わる信心 伝える信心

金光教報 「天地」11月号 巻頭言

 今日、子どもから尊敬される親になるのは、なかなか難しいように思えるが、このようなことを聞いたことがある。「娘から尊敬される父親は夫婦仲が良い」とのことである。なるほど、分かるような気がする。母親を大切にしている父親を見れば、同じ女性として、そうであろうと思う。親子関係に限らず、他の人を大切にできる人は尊敬される人だと思う。
 では、なぜ金光教の信奉者が人や物、そしてすべてを大切にし、大切にする稽古ができるのであろうか。それは生神金光大神取次を願い頂くことによって、天地の親神様に出会い、わが心に神が生まれるおかげを頂き、すべての物が親神様の賜物であり、すべての人が神の氏子であると知り、悟らせていただくからであろう。また、実意を込めてすべてを大切にする稽古をしている信奉者の信心実践に触れてのことでもあろう。神様に向かい、人を大切に、自分を大切に、物を大切に、親先祖を大切にさせていただいている父母、祖父母の姿を頂いて、そのような信心なら私もしてみたいという心が生まれてくるからであろう。

 教祖様は「信心は何を目的にすればよいか。病人は痛いのを治してもらいたいと願い、健康な者は、作物がよくできるようにとか、商売が繁盛するようにとか願って参るが、それは一時のことである。
信心は、末の安心を楽しみにしないと続かない。末の安心のためには、自分一人がおかげを受けただけではなく、子孫に伝わる信心をすることが大切である。家庭が円満で、主人が信心しなければ、子孫には伝わらない」と、み教えくださっている。ご神縁を頂いているお互いは、心して人に伝わる信心のおかげを頂いてまいりたい。
 ある信奉者の家庭では、母親が子どもに対して、「15歳になったら、一人でお参りをして、自分でお取次を頂いておかげを受けさせていただきなさい」と教えてきた。子どもたちはそのような信心を教えられ、自ら参拝し、取次を願い頂いた。三男は17歳の時に生きるか死ぬかの大病を患った。その時にも親があらためて教えたのがその信心であった。三男は親の教えを守り、自ら参拝し、お取次を願い頂いた。まだまだ信心らしい信心になっていなかったと思うが、お取次を願い頂けば、絶対に助けてくださる、との確信があったようである。その後、三男は常々、「金光様、親先生のご祈念、お取次があって、今日の自分がある。母が教えてくれた信心によって神様のおかげを蒙こうむらせていただいた」と、語っている。

 教祖様は「子供が十五歳にもなれば、そろそろ身しのぎをする術すべを教えこまなければならない。自分のことは自分で信心しておかげを受けさせるようにしなければならない。親から見れば、大きくなっても子供のように思うけれど、かわいがり過ぎたり、世話をやき過ぎると、先のためにならない。かわいい子には旅をさせよ、ということがあろう。信心のありがたいことを話してやっていれば、ひとりでに親の跡を継いで信心するようになる」と、み教えくださっている。信心を語り伝えるという中には、さまざまな内容がある。自分自身がおかげを受けてありがたいと思っていること。神様のありがたいこと。今の話のように信心の大切なところを伝えるなど、いろいろある。

 信心継承のおかげを頂くうえで、伝わる信心、伝える信心。どちらも大切なことと、教祖様はみ教えくださっている。「一代の信心は神が喜ばれない」とも仰せである。どうでも、伝わる信心、伝える信心のおかげを頂いて、一人でも多くの人が助かるお役に立ってまいりたいものである。

投稿日時:2017/11/01 15:16:21.389 GMT+9



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