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神様と共に助かりたい【金光新聞】

イボの治療に激痛を繰り返し

 15年ほど前のこと、私(48)の足の裏にイボができたことがあります。当時、アメリカのハワイへの転勤が決まったばかりで忙しく、治療は後回しにしていました。
 その後、妻とハワイに渡り、ようやく生活も落ち着いたころ、イボは、500円玉大にまで大きくなっていたため、慌てて病院で治療を受けることにしました。病院では、イボを皮膚ごと壊死(えし)させる薬を塗られましたが、しばらくたつと足の裏が焼けるように痛み、眠れないほどの激痛が2日間続きました。
 初めのうちは「この痛みも生きている証し。金光様、ありがとうございます」と言ってはいたものの、 あまりの痛みに「神様、いつまでこの激痛は続くのですか」 と、毒づき、しまいには「もう、この足ごと切り落としてくれ!」と心の中で叫んでいました。薬を塗った部分は、血が混ざった水膨れになり、ぱんぱんに腫れ上がっています。妻もなすすべもなく、心配そうに見ているだけでした。

 1週間ほどすると、ようやく水膨れがしぼんで固まってきました。そこで再び病院に行くと、医師はイボをメスできれいに切り取ってくれました。私は「神様、ありがとう!」と、晴れ晴れした気持ちで病院を後にしました。
 しかし、それはつかの間のことでした。イボはすぐに再発し、またあの薬を塗られて激痛にのたうち回ることになったのです。しかも、何度治療しても繰り返すので、そのたびに激痛に耐える羽目になりました。
 そうしたことが約1年続いた中で、ふと思い浮かんだことがありました。それは、私が身も心も狂わんばかりに痛み苦しむ姿をご覧になって、神様も、狂うほどの痛みを感じてくださっているのではないか、天地のほんの一部分に過ぎない私の苦しみを神様は天地全体で受け止めてくださっておられるのではないかと。
 すると、この神様と共に助からせて頂きたいという強い願いが、湧き上がってくるのを感じたのです。それは私自身だけではなく、神様がそう願ってくださっているように思えて、神様をより身近に感じることができました。

天地自然の力に任せることに

 そして、効果が感じられなかった治療には踏ん切りをつけ、一切やめて天地自然の力に任せることにしました。一時は足の裏一面にイボは広がりましたが、ありがたいことに痛みはほどんどなく、生活には全く支障ありませんでした。
 ある日の夕方、妻が散歩がてらにビーチへ行こうと誘ってくれました。南国特有の強い日差しも少し和らぎ、エメラルドグリーンの海を優しく照らす中、はだしで砂浜を歩き、海にも入りました。それからは毎週末、ビーチに通うようになりました。
 そのようにして3カ月ほどたったころ、ふと足の裏を見るとイボが小さくなっているのに気付きました。そしてさらに1カ月もたたないうちに足の裏全体に広がっていたイボが、まるでハワイの海に吸い取られていったかのように消えていったのです。

 神様は、私たちが難儀に悩み苦しんでいる時、たとえ不平不満で心が曇っている時でも「一心に願え」と、常に呼び掛けてくださっています。自分自身のことはもちろん、誰かの助かりを一心に願えば、神様は必ず受け取ってくださると確信するようになりました。

※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています

(「心に届く信心真話」金光新聞2016年6月26日号掲載)

メディア 文字 信心真話 金光新聞 

投稿日時:2017/11/24 13:36:16.376 GMT+9



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