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息子から学んだ優しさ【金光新聞】

つい言ってしまった…

 私(52)は今から16年前、当時5歳だった息子からとても大切なことを学びました。その時のことを今でも昨日のことのように鮮明に覚えています。
 幼稚園に通っていた息子を迎えに行った帰り道でのことです。その日は近くの公園に立ち寄り、息子は何人かのお友達と鬼ごっこをしながら遊んでいました。私はその横で他のお母さん方と一緒に、子どもたちの様子を見ながらおしゃべりをしていました。
 しばらくは皆仲良く遊んでいたのですが、突然一人の男の子が息子の襟をつかんで引っ張り回し、息子の首が絞まりそうになったのです。驚いた私とその子の母親が止めに入り大事に至らなかったものの、その場は皆帰ることにしました。

 日頃から何かと息子にちょっかいを出し、追い掛け回したり、持っている物を取り上げたりするその子の行いを見てきていた私は、腹立たしい気持ちが抑えきれず、息子に「ひろしくんはいつも嫌なことばかりして、うっとうしい子だね」と、言ってしまいました。
 すると、息子は即座に「お母さん、ひろしくんは僕におもちゃを貸してくれたりするし、ひろしくんにも良いところがいっぱいあるんだよ。そんなこと言ったらいけないよ」と言うのです。
 てっきり同意してくれるものと思っていた私は、 一瞬戸惑いながらも、「ばかなことを言ってしまった」と反省すると同時に、何ともいえないありがたい気持ちになりました。
 幼い息子の口からお友達への優しい思いが伝わる言葉が出たこと、人の悪いところではなく、良いところを見る心を持っていてくれたことに、私は言葉では言い表せないほど感動し、うれしさでいっぱいになったのです。

人の良いところを見る心

 それまでの私は、嫌だと思う人とは距離を置いていましたし、気が合うと思っていた人でも、嫌な面が少しでも見えた途端、その人のことが良く思えなくなり、うまく付き合うことができませんでした。そのため、周りの人と深く関わり合うことなく表面的な付き合いしかできていなかったのです。
 けれど、この時の息子の言葉が、人とのつながりの上で大切なことを教えてくれました。それからは、その人その人の良いところを見つけ、良いところを見ることを心掛けるようになりました。すると、交友関係も広がり、人との出会いがとても楽しいものになったのです。
 また、すてきだなと思えるちょっとしたしぐさや話し方、気配りなど、人の良いと思えるところをまねていくよう心掛けていると、この人は嫌だなと思うこともなくなっていったのです。

 私たちは生活の中でたくさんの人と関わり合いながら、いろいろなことを学ばせて頂いていますが、大人だけでなく、子どもからも教えられることがたくさんあることを知りました。
 息子から学んだことは私にとっては掛け替えのないことであり、事有るごとに思い出しては心を改めるようになりました。
 現在、社会人となった息子の口から、今日まで人の悪口を聞いたことがありません。決して人の不足を言うことがない息子は、私にとってとても良いお手本です。これからも息子に教えてもらった「どんな人に対してもその人の良いところを見る心」を忘れないよう、心掛けていきたいと思います。

※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています

(「心に届く信心真話」金光新聞2016年12月4日号掲載)
メディア 文字 信心真話 金光新聞 

投稿日時:2018/05/02 08:45:28.834 GMT+9



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