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子どもの成長を願って【金光新聞】

初めてキャンプに参加して

 30年ほど前のことです。中学1年生の夏休みを迎えようとしていた私に、「金光教の少年少女会キャンプに参加してみないか」、父はそう尋ねました。私は少年少女会活動のことを知りませんでしたが、軽い気持ちで「うん」と答えました。
 夏休みに入り、キャンプの日が近づくと、父は昔、自分が使っていたリュックサックとキャンプ用品を探し出してくれ、それに毛布と着替えなどを用意して必要な荷物をそろえました。父は何も言いませんが、何となくうれしそうでした。
 キャンプ当日、父と二人でバスと電車を乗り継ぎ、集合場所の教会へと向かいました。最初こそわくわくしたものの、道中の人混みで毛布が顔を出す古いリュックを背負っていることがとても恥ずかしくなり、行くのが嫌になりました。
 それでも引き返すわけにもいかず、教会に着きました。父は、一緒にお結界でお届けをしてくれた後、「じゃあ」と言って帰りました。一人残った私は皆が整列している後ろに並びました。見ると私以外の参加者は皆、おそろいの制服を着ていたので、気後れしてしまい、これからのことがさらに不安になりました。

 キャンプでは、規律を守ることを厳しく教えられました。例えば、集合の号令が掛かった時、少しでも遅れると何度でもやり直されました。そんな雰囲気だったため、緊張がなかなか抜けませんでしたが、うれしいこともありました。2日目の朝、私の班が朝食の準備を一番早くできて、みんなから表彰してもらえたのです。
 しかし、初めてのキャンプを終えて何よりうれしかったのは、一人で参加し、心細かった私を先輩たちが優しく受け入れてくれたことです。ある先輩とは文通するほど仲良くなりました。最初は不安と緊張ばかりでしたが、終わってみれば写真には飛び切りの笑顔の私が写っていました。

代々続く親の思い

 月日は流れ、私は2人の子どもを授かりました。子どもたちが小学生になると、参拝する教会の少年少女会に入会させてもらいました。父と同じように子どもに入会を勧めたのは、教会の先生がお祈りくださる中で、今しかできない体験や人との関わりを通して、大事なものを見つけてほしいという願いがあったからでした。
 ある時、父と子どもたちが少年少女会の話をしていました。そのやりとりの中で、父も少年少女会でお育てを頂いて、クラリネットを演奏しながら行進したことや、大きくなるとスタッフになるための研修を受けに東京まで行ったことなど、私も初めて聞く話をうれしそうに語ってくれたのです。

 父がどういう思いで私に少年少女会を勧めたのか、直接聞いたことはありません。それでも、当時を思い起こし、自分の子どもへの願いと照らし合わせる中で、信心をもとにした活動を通して子どもの成長を願う親の思いが代々続いていく尊さを感じています。
 私は、父の願いのままに、「生きる力の芽」を与えてもらったと思っています。荷物を重たそうに持った人をさっと手助けするなど、人がどういう状態なのかに心を配れる人。どんな人にも自分の居場所をつくってあげられる人。そのような人たちの生きる力に支えられ、私もそうなりたいと思い、今の私があります。そのきっかけが、キャンプに参加したことだったのだと、懐かしくうれしく思っています。

(「心に届く信心真話」2017年7月23日号掲載)
メディア 文字 信心真話 金光新聞 

投稿日時:2018/10/04 14:33:45.688 GMT+9



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