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石仏通し世界平和祈る【金光新聞】

土の中からでてきたのは

 私(57)の奉仕する教会では、入り口の道路に面した所に、高さ60㎝、重さ約15㎏ある一基の石仏を祭っています。日々朝夕の2回、線香とろうそくを供え、月例祭と大祭時には神饌物もお供えさせて頂いています。
 この石仏との出合いは、韓国赴任中のことです。宿舎の庭先に、地面から10㎝ほど飛び出した石がありました。子どもがつまずくと危ないので取り除こうとしたのですが、石は思ったより大きく、土中深くまで埋まっていました。さらに掘り進め、ようやく石がグラグラと動き始めたところで渾身(こんしん)の力で一気に持ち上げました。すると驚くなかれ、土の中から一基の石仏が出てきたのです。驚いた私は、すぐに土に汚れた石仏を水で清めました。
 どのような経緯で宿舎の庭先に埋もれ、長年放置されてきたのかは知る由もありませんが、あらためて見てみると実に穏やかで柔和なお顔です。その瞬間、教祖様の「ほかの神仏をおろそかにしてはならない。残らずの金神様とあがめて拝礼するがよい。残らずの金神と申さなくても、みな様と申して拝んでもよい」という教えが頭をよぎり、そのまま捨て置くことはどうしてもできなくなりました。
 そこでまず掘り返した場所をきれいに整地した上で、その石仏を「みな様」と名付けて、その場所にお祭りすることにしました。そして、「今まで土の中に埋められ、おつらかったことと思います。今後は『みな様』とのご縁を大切にさせて頂き、お世話になっている韓国人の皆さま5001万人のことも合わせて祈らせて頂きます。どうか地域の人々の身の上安全と、争いのない平和な世界になりますようお守りください」と祈りを込めるようになりました。

総氏子身の上安全、世界真の平和を願う

 それから3年後、私は日本へ帰国することになりました。引っ越し準備を進める中で、石仏をこのままここに置いていった方がいいのか、それとも日本に持って帰った方がいいのか、と最後まで悩みました。大家さんに相談すると面倒見切れないと言われてしまい、私に代わって石仏をお祭りしてくれる方も見当たりません。そこで、日本へ持ち帰り、お祭りすることにしました。
 石仏や骨とう品は、国外に持ち出しできるものと持ち出せないものがあり、一度税関に提出して鑑定をしてもらう必要があるとのことでしたが、数日後「国外持ち出し可」との証明書を受け取ることができました。「みな様」とのご縁をさらに強く感じ、頑丈な木の箱に梱包(こんぽう)し、一緒に日本に帰国しました。

 あれから15年が過ぎました。当初、金光教の教会なのにお花と線香をお供えした石仏を通りに面した入り口に祭っているのを、近所の方もご信徒の方もいぶかしく思っていたようでした。
 私は「石仏を通して、お世話になった韓国人の皆さまのことを祈らせて頂きたい。地域の人々の身の上安全と万国が残りなく平和な世界になれるようお守りください」という思いを一人でも多くの人に分かって頂きたいと願い続けてきました。今では教会への参拝者をはじめ、ご近所の方も手を合わせて通ります。
 これからも、「みな様」のことをお世話になった韓国と日本を結ぶ大きな懸け橋と頂き、皆さまと共に総氏子身の上安全、世界真の平和のご神願成就を目指し、祈願してまいりたいと思います。

※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています

(「心に届く信心真話」2017年9月3日号掲載)
メディア 文字 信心真話 金光新聞 

投稿日時:2018/10/30 15:08:39.315 GMT+9



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