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今も金光様の祈りの中 【金光新聞】

年頭参拝のお結界で

 私(53)は毎年、年頭に岡山県の金光教本部へ参拝することを楽しみにしています。前年を無事に過ごせたことと新しい年を迎えられたお礼を神様に申し上げ、すがすがしい新年のご霊地を歩くと、毎回心が洗われるようです。
 平成2年の年頭参拝の折、前年に夫と婚約した私は、結婚が決まったありがたさを胸に本部広前のお結界に進みました。当時、ご神勤くださっていた四代金光様の前に座り、お礼のお届けをした後、満を持して「結婚させて頂くことになりました」と申し上げました。ところが、そう言った途端、私の目から涙が止めどなくあふれ出てきて、声さえ出せなくなりました。一瞬、何が起きたのか分からなかったのですが、ずっと心の奥に押し込めていた結婚への不安な思いが、金光様を前にしてせきを切ったように流れ出てきたのだと気付きました。

 金光様は、私が落ち着くのを待ってくださり、「どんな時も、神様に心を向けていれば、心配したり不安になったりしている暇はないぞ。何をする時も、まず、お礼を申してさせて頂く。日々が修行じゃからな」と、優しい声でお話しになり、最後に「私もそうです」とおっしゃったのです。
 「金光様もそうなさっている」。私は心底ありがたくなりました。親が子どもの目線と同じ高さで見るように、金光様が私に寄り添ってくださったのを感じ、金光様の祈りの中にいるということも実感しました。そうして、私はその年11月に結婚しました。

金光様のお言葉を心に刻んで

 嫁いだ当初、慣れない土地柄や方言に戸惑い、家族と居ても私だけがよそ者のように感じ、夫と教会にお参りしますが、寂しさと不安は癒えないままでした。私はいつも、婚約のお届けをした時の四代金光様のお顔を思い出し、「金光様が祈ってくださっているから大丈夫。神様に心を向けていこう」と自分自身に言い聞かせて過ごしました。そうして年が明けた平成3年1月10日、四代金光様がご帰幽になりました。結婚から2カ月足らずで、心の支えを急に失った私は、ここからどうやって生きていけばよいのかと思いました。そんな悲嘆に暮れ、どうしようもなくなった私は教会にお参りし、お広前に座りました。ご神前に向かって泣きながら、ありのままの気持ちを気が済むまでぶつけました。

 どれくらい時間がたったのでしょうか。少し気持ちが落ち着いた私は、先生にあいさつをして帰ろうとしました。すると先生が、「今、何をお願いしておったんや」と尋ねられました。私が返事に困っていると、続けて先生が「あなたがお願いしている間、ご神前とご霊前が、ずっとパシッ!パシッ!と鳴り続けていましたよ」と言われたのです。そこで私が素直な思いをお話しすると、先生は「あなたの思いはちゃんと神様、みたま様に届いていますよ」と言ってくださいました。私は「金光様も、そして神様もみたま様も私を後押ししてくださっている」と思えて、ありがたくて涙があふれました。四代金光様に頼りきっていた私が、天地金乃神様、生神金光大神様、みたま様にあらためて出会わせて頂いた出来事でした。
 今日もご本部のお広前では金光様がご祈念くださっています。私は、四代金光様に頂いたお言葉をしっかりと心に刻み、神様、みたま様に喜んで頂ける生き方をしていきたいと願っています。

※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています

(「心に届く信心真話」2018年1月21日号掲載)
メディア 文字 金光新聞 信心真話 

投稿日時:2019/05/02 16:10:07.167 GMT+9



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