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教団独立の熱意を今に

金光教報 「天地」6月号 巻頭言

 来る6月9日に、「教団独立記念祭」をお仕えさせていただきます。
 金光教は一教独立を願って、明治33年(1900年)4月19日、「教規教則認可願」を内務大臣に提出し、同年6月16日、神道本局からの別派独立並びに教規・教則が認可されました。
 そのちょうど1年前に、神道本局と定約証を交換し、神道本局維持金として金1万円を納金したと記録にあります。
 当時の1万円は、相当大きな額であったと思われますが、実意をもって事に当たられた証であろうと思われます。また、「どうぞ独立のためにお使いください」と、各地から自主的な献金があったという話が残っていますが、教団独立が成し遂げられたのは、一部の人だけの功績ではなく、全教の「道を思う人たち」の願いの結晶であったのでしょう。
 『お知らせ事覚帳』の明治13年6月25日の記述には、「教導職ではいけん。教導にまぎらわしきことせず、まじないもせず、説教も。出て歩く道でもなし。内で説諭とも理解とも話をして聞かせ。末を楽しみ」とあります。そこには教祖様も、この道を貫くことを願われていたことがうかがえます。
 当時、独立に向けてご尽力くださった先生方、それを陰で支えてくださった先生方や信奉者の皆様、そのひとかたならぬご苦労を思う時、教団独立記念祭に当たって、あらためてその頃の熱意を感じさせていただきたいと願うものです。
 今、私たちは、そのおかげを享受し、自由にこの道の信心を求め、貫くことができています。それはまず、金光教が神道から独立した教団となったことに始まり、昭和9年10年の「教団自覚運動」を経て、更には戦争による問題を乗り越えて、ご伝記の刊行、教規の改正、儀式服制、拝詞の制定、『教典』の刊行をもって一新し、ようやく金光教団として、本当の意味での独立がなされてきたように思います。そして、平成12年(2000年)には、教団独立100年記念祭が、2日間にわたって盛大に執り行われました。
 来年が教団独立から120年に当たりますが、今、教団は厳しい状況にあります。「元気な時に大手術はできない。どうにもならないような時こそ大改革ができる」という言葉を聞いたことがあります。今こそ、教団独立にかけられた熱意を持って、「道を思う人たち」の力を結集し、すべてをゼロベースから見直していく必要があると感じさせられています。
 戦後間もない頃、信教自由の時代を迎え、昭和22年2月1日、三代金光様から、
 「ただいまは全教一新のおかげを頂くことが一番大切でありますから、全教一家の実をあげるよう、その方途を講ずることを進めてください」とのお言葉があり、そのお言葉を頂いて、「教祖広前に直参するの信念に立ち、幾十年来、本教に積み重なってきているものを根本的に検討し、改めるものは改め、つくり出すものはつくり出して、立教の真義を日本の現在、世界の現状に発揮発揚して道を世界に布(し)く」との大願を教務の基本姿勢として打ち出し、御用が進められることになりました。
 立教160年を迎えて、あらためて戦後の大願を頂き直し、「改めるものは改め、つくり出すものはつくり出して」、ここからのおかげを蒙ってまいりたいと願っています。

(教会部長 田淵美賀雄)

投稿日時:2019/06/04 09:06:18.064 GMT+9



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