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喜びあふれる本部参拝【金光新聞】

母を中心に

 熊山美千子さん(72)は、いつの頃からか毎日教会に参拝するようになりました。若い頃は何か困った事があるたびにお参りしていましたが、今では平穏無事に過ごせている一日一日を大切にするように、毎日神様に手を合わせています。その姿から参拝そのものが喜びとなっていることが周りに自然と伝わります。
 熊山さんの母親は熱心に信心していました。自宅の食卓でも、いつも教会でのことが話題に上りました。「今日、お結界で先生にこうやって話したら、こんなお言葉があったよ」。母親がそう話し始めると、家族はそのように物事を受け止めて取り組めばいいのかと感心したり、時には教会の先生の言葉に込められた神様の思いを、みんなであれこれ話し合うこともありました。
 そのような中で育った熊山さんたち4人の姉妹は、自然と教会に参拝するようになりました。今では、皆で「畑で採れた野菜を使って教会の大祭の直会(なおらい)で、こんな料理を作ってみようと思う」などと話しては、いつもどこか楽しそうにご用をしています。

 今年の4月下旬、熊山さん姉妹は1泊2日で金光教本部にお参りしました。一番上の姉は、パーキンソン病を患った影響で年々歩行が困難になり、つえを突いてどうにか歩けるような状態でしたが、今回の参拝はその姉のたっての願いでした。
 新幹線と電車で片道4時間ほどかけて、途中の駅での乗り換えも皆で助け合いながら、無事にご霊地に到着できました。本部広前に参拝した後、石段を一段一段上って山の上にある教祖様の奥城(おくつき/金光教式のお墓)と、さらにそこから舗装はされていますが上り坂もある山の参拝路を数百メートル歩いて、歴代教主奥城にもお参りすることができました。

先生が修行された場所へ

 すると、姉が「いつもご祈念くださっている教会の先生が修行された金光教学院という所にも、ぜひ行ってみたい」と言うのです。さほど遠くはない所にあるとはいえ、姉の体力を考えると不安もあり、神様にお願いしながら、行ける所まで行ってみようということになりました。
 熊山さんは、教会の先生が金光教学院に入学した時に、母親がうれしそうに話していたことを覚えています。そんな思い出話にも花を咲かせながら何とかたどり着くことができました。
 金光教学院の門をくぐると、熊山さん姉妹の前に講堂が見えてきました。古い建物でしたが、格式と厳かさが感じられ、これまで金光教学院で修行してきた方々の息づかいが聞こえてくるようでした。金光教学院のお広前にも参拝することができ、天候も歩き回るのにちょうど良い気候で、何もかもお繰り合わせを頂けたことに、本当にありがたい思いになりました。

 後日、熊山さん姉妹が、教会にお参りして今回の本部参拝のお礼をお結界でお届けしました。生き生きと話すその表情に参拝できた喜びがあふれていました。熊山さん姉妹は、そのような喜びをそれぞれの家庭に持ち帰り、家族と一緒に信心のありがたさを分かち合います。
 熊山さんは、よく信心仲間に「これまで全てのことが順風満帆だったわけではないけれど、代々の教会長にすがって、頂いたみ教えを家族で語り合ってきて、今がある」と話します。そして、今日も教会に参拝して平穏無事に過ごせていることに手を合わせています。

※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています

(「心に届く信心真話」2019年8月25日号掲載)
メディア 文字 金光新聞 信心真話 

投稿日時:2020/08/27 16:22:45.442 GMT+9



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