title.jpg

HOME › 神様のお働きという光【金光新聞】

神様のお働きという光【金光新聞】

長女出産時のまさかの経験

 「また落ちた!もうお先真っ暗…」と、就職活動中の長女(21)が沈んだ表情で帰宅してきました。
 私(45)はすかさず、「大丈夫、大丈夫!どんな暗闇の中にも必ず光があるよ!
 すごく良い経験をさせてもらってるんだよ」と励ましました。
 どうしてそんなことが言えたかというと、私には長女が生まれた時の体験があるからです。
 長女は生まれた直後の検査で、心臓の心室を隔てる壁に穴が空いている「心室中隔欠損症」で、危険な状態だと分かり、すぐに大学病院に移送されてしまいました。
 初産ということもあり、私はわが子との感動の対面をイメージしていたのですが、まさかの事態に、暗闇に放り込まれたような気持ちになり、涙が止まりませんでした。
 すぐに夫が、教会に参拝してお取次を願ったところ、教会の先生は、「心配でしょうが、その病気も、あなたたちの心を育てるための神様のお働きです。どんな真っ暗闇の道でも、光があれば進めます。神様におすがりすれば、必ず神様のお働きという光が道を照らし、前に進むことができます」と、力強くお話しくださったそうです。

 私は退院後、長女の入院している病院に冷凍した母乳を運ぶ日々が始まりました。そして、すがる思いで夫婦で教会に参拝しました。先生は私たちに、「心配や不安でいっぱいな時こそ、自分の心を見詰め、心を改めていくことが大事ですよ」と、話してくださりました。そんな先生のお話を、私たちは今まで以上に真剣に聞くようになりました。
 先生のお話を繰り返し聞きながら、これまでの生活を振り返ってみると、互いに自分本位な生き方をしてきたことに気付かされ、少しずつ物の見方や考え方を変えていこうという思いになれました。
 長女の容体はなかなか良くならなかったのですが、気持ちが落ち込むと、必ず知人や友人から「赤ちゃんが大きくなったら使ってね」と、プレゼントが届くのです。そのたびに私は、神様からの応援とも思えるお働きを感じ、励まされました。不安になりながらも、神様に心が向かっていき、ありがたいと思える心が私の中に育ってきていました。

神様のお働きという光

 長女が入院して1カ月ほどたったころです。長女は自力での呼吸が難しくなり、人工呼吸器が必要な状態になりました。すぐにでも手術をしなければ危険な状態でしたが、病院の手術室の予定がいっぱいで、すぐには手術ができませんでした。
 夫婦で話し合い、「私たちにできるのは、娘の分まで自分の心を育て、お役に立つ人間にならせてもらうことしかない。この先、どのようなことが起きたとしても、全て神様のおぼしめしとして、受け止めよう」と覚悟を決めました。

 そのような思いになった途端、突然病院から予定していた手術がキャンセルになったという連絡が入り、長女が手術を受けられることになったのです。手術は無事に成功し、感謝と喜びでいっぱいの中、待ち望んでいた娘との生活を始めることができました。
 この時の体験は、不安で先が見えなくなった時、いつも私の支えとなって、勇気をくれます。この先、どんな困難に出合っても、神様のお働きという光にすがっていけば、必ず乗り越えていくことができるのだと、信じています。
※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています

「心に届く信心真話」2020年9月6日号掲載
メディア 文字 信心真話 金光新聞 

投稿日時:2021/10/28 14:13:32.934 GMT+9



このページの先頭へ